物語の構成について③ ~プロット中期に考えること・アイデア出し〜
久々に創作論を思いついたので、いざ執筆しようと思ったら、構成についての話が長いこと放ったらかしになっていたことに気づきました。
こういうときも、プロットがあれば非常に重宝します。
物語の設計図のような役割も兼ねるので、一度作成していれば、いつ何時に執筆しようとも、作品を通して芯がブレないものを作り上げることができるでしょう。
ええ、プロットを作成していれば……
時間をおきすぎて、どういう形で話を進めようとしていたのか完全に忘れております。今作「『創作』の話をしようじゃないか」はノープロットで執筆しており、まさかこんなところで構成の大事さを痛感するとは思いませんでした。
悪い見本として、捉えていただければ幸いです。
この時点で説得力がない気もしますが、書き始めたからには最後まで続けます。
気をとりなおして、前回からの続きです。
テーマも決まり、物語の進む方向がザっと決まりました。
続いては、アイデア出しをします。
当てもなく制限もなく取り留めもなく、ひたすらに自らが思い描く物語を空想します。プロット初期で取り決めたことを一旦無視しても構いません。とにかく「こういうの書きたい」という気持ちを箇条書きにして出していきます。
適当に、何かしらの物語を書くと仮定して、いくつか書き出してみます。
・主人公は男性、十六歳。特別な過去は持たない凡人。
・日常と非日常を描く、それぞれの主な舞台は農村と夜の都会。
・勧善懲悪
・主要登場人物は全部で十人くらいで、全文でざっと十万字ほど(変更あり)
・序盤に盛り上がりを一つ、終盤は伏線回収と一番の山場を
・クーデレキャラは必須
・痛快復讐劇
・決め台詞「私には夢がある。だが、泣きたくなるほどに根気がない」
などなど
上記は一応、例としてわかりやすく書いてはおりますが、実際はもっとフリーダムに書いています。後から自分で見て、何を書いてるか理解できない文章ばかりです。元より、作者が思い描く物語というのは文章だけで表現できるものではないはずです。それを無理矢理にでも言葉におこしてみることが大事だと考えます。意味が通じずとも、ここで何かしらの言葉として表現できなければ、おそらく小説本文でも描ききれるものではないでしょう。
上記だけでは物語を構成するには要素が足りませんから、もっともっと出していきます。ときには矛盾している事柄だってあります。上記の例で言えば、『勧善懲悪』と『復讐劇』は混同するのはちょっと難しそうですね。しかしそれで構いません。整えるのは後の工程です。今はとにかく物語の材料となる要素を出していきます。
あまりにも当てがないと困る、ということであれば。指標として──
『ストーリー(エピソード)』
『キャラクター』
『世界観(舞台)』
の項目について要素を出していけばいいでしょう。設定を考える、と捉えてもらっても構いません。この三つの項目について十分な考察ができていれば、物語の形はとりあえずは整います。
箇条書きでアイデアを出していくとしましたが、フローチャートや樹形図なんてものを使ってもいいかもしれません。アイデアの出し方については、結構、ビジネス書などの主題に取りあげられていますから、小説という枠にとらわれずに、さまざまな媒体から着想を得ていけばよろしいかと思います。
連想ゲームのように要素が出てくる間は、このアイデア出しが、構成の中では一番楽しい作業かもしれません。特に深く考えずに、ポンポンと生み出していきましょう。どうせ、この後の工程で生みの苦しみをこれでもかと味わうことになるので、勢いをつけられるときにつけておくのが得策というものです。
続いては実際にプロットを組み立てていく作業、「あらすじ」について語ろうかと思います。
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