話の類型について、まとめ

 面白い話の類型については決まっている。

 では具体的にはどのような物語が好まれるのか、そのことを出発点に語ってきましたが、ここで一度、まとめにはいっておこうと思います。まだまだ語り尽くせないほどの話の類型というものは存在しますが、細かく分類していくとなると、それこそキリがありません。「創作における自己犠牲」など語ってみたいと思う項目はまだまだあるのですが、それは今後に機会があればとしておきます。

 さてこれまで語った

「悪を倒す」

「恋愛が成就する」

「謎を解き明かす」

 についての三項目が、私の考える面白いと思われる話の類型、その三柱になります。「善悪を読者に問う」については、内容的に「悪を倒す」話の亜流になるかと思われるので省きます。思いつきで書き進めると、こういう構成的な不備がでてきますが、そのままにしておきます。

 上記三項目においては、一般多数の方に問題なく受け入れてもらえる話になるかと思います。良く言って誰もが満足する「物語の王道」、悪く言って結末の予想できる「ベタな物語」となります。そこを外すか否かは各個人の好みでしょう。

 

 大事なこととして述べます。

 三項目のいずれかを遵守した作品でなければならないと、私はまったく思いません。それに拠らない多くの面白い作品があります。あくまで一般多数に対する「面白い」話について語ったものであり、特定のニーズに対する解答ではありません。

 

 少し、語調が堅苦しくなってきました。それに合わせて、私も混乱してきましたので。もう一度、言い直そうと思います。


 ようは各個人が「これは面白い」と思えるような作品を書けばいいんじゃないかと思います。その上で、話の展開に困るようであれば、上記三項目の要素を含ませてみるのがよろしいかと思います。

 今作品の冒頭で、物語を料理に例えた表現をしたのにならいますが、この三項目はそれぞれ「肉」と「砂糖」と「香辛料」です。甘みが足りないと感じる料理ならば砂糖を投入すればよろしいでしょうし、もう一味刺激が欲しいと思うのであれば香辛料を投入すればよろしいでしょう。その際は、分量用法をお考え下さい。甘いパンケーキを作っているのに「生肉を投入」というのは流石に暴挙です。どうしても作りたいのであれば肉に合うようなパン生地とソースをご用意ください。


 面白い作品の類型は確かに決まってはおりましょうが、それだって作品を作るうえでの要素の一つであります。肉を焼いただけでも美味しい料理はできましょうが、せっかくならば自分流のレシピというものを表現したいと、皆々考えている事でしょう。私自身、ああでもないこうでもないと試行錯誤を繰り返しております。


 大事なのは「自分はどういった料理を作りたいのか」をしっかりと踏まえることでしょう。その上で、先人たちの残してくれたレシピを利用することは、そう咎められる事ではないと思います。

 以上をもって「話の類型について」のまとめと致します。


 では次回からは「好きな言い回し」について語りましょうか。

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