ピースサイン/高校+榊家

【青空高校】

探索者が青空高校に向かう最中、糸井桃華とばったり出くわす。


「どう?榊くんのこと何か分かった?」

(※探索者に現在判明している情報を話させることで、考察を促す。余りにも推測がズレている場合や情報の取りこぼしが多い場合は、このタイミングで修正してもよい)


学校校舎内に入っても、糸井が一緒に居ることで不審に思われない。

探索中も糸井は着いてくる。興味を示してくれる場合は積極的に会話に加わるとよい。死んだ時の喪失感が増す為。


〈保健室〉

目星→

机の上にとあるファイルを見つけた。表紙には「××年度保健室利用記録まとめ」と書かれている。

名前と学年、クラス、手当した内容、怪我した理由などが書かれている。そんな感じの紙が何枚かファイリングされていた。榊光の名前は、今から約1ヶ月前の日付が書かれたところに載っている。他の月には一切名前がなくて、その月だけ何回か保健室に行ったようだ。1ヶ月前と言えばちょうど、医療ミス事件が報道され出したタイミングだ。


保健室の先生→

「どんな人が来るか?やっぱり保健室だから、怪我した生徒たちが来ることが多いかしら。あとは保健委員ね。」

「ええ。手洗いのポスターを書いたり、健康観察簿を毎日持ってきたり、アルコールの補充をしたり、具合の悪い子がしたら保健室まで連れてきたり。私がいない時にはその子達が手当や看病をしてくれるのよ。」

「糸井君のことは知っているわ。彼は榊君と一緒の保健委員なの」


〈廊下で聞き込み調査〉


光→

「光?光なら友達だよ〜。いつも一緒に弁当食べたりしてたんだ。」

「…光、今はいないけどね。いつ会えるのかなぁ」


入院先→

「入院先?知らない。っていうか、俺達も知りたい!お見舞いぐらいはやっぱり行きたいのに全然情報入ってこないんだもん」

「あんまり頼りたくないけど、ネットで光のこと書かれた掲示板とか見てみても本当っぽいのなかったよね。」

「北海道に入院中!…とか流石にないに決まってんのにね〜。」

「姿は見てないけど、うちの学校の先生がお父さんに電話したら「息子は暫く学校を休みます」って言ったらしいよ?ま、入院しなきゃいけないからね」


自殺→

「うわ、物騒!でもあの人が自殺とか有り得ないと思うよ。光のお父さんの事件があったあとも普通に学校来てたしね。あんまり様子変わらなかったよ」


最後に彼が来たのは→

「最後に彼が来たのは…ええと、10日前くらい?刺される前は普通に学校に来ていたから」



〈榊光の教室〉

教室には掃除道具入れやロッカーがある。後ろの壁には、ボランティア募集の紙などが貼られている。


ロッカー→

鍵がかかっている。

置き勉等はしていないらしく、中には調理実習で使うエプロンや絆創膏、写真、包帯など必要最低限のものしかない。あとはシャーペンとかの予備。


写真→

入学式の写真のようだ。胸に花を模した飾りを付けた元気いっぱいの少年と、幼女と中年の男性が映っていた。写真に写っている幼女は、昨日会った榊ここあと同一人物のようだ。多少幼く見えるが、時間が経過した為だろう。

《Bに記憶を渡す》








高校を出る→

「これからどーするつもり?」

「僕は榊くん家に用事があるんだ。あっ、もう時間だから行かなきゃ!バイバーイ!」

糸井は話を聞かずに駆けていった。

(※榊家で死なせることになるので、できるだけ阻止されないようにする。阻止された場合は、慈愛病院での交渉を行う"イトイ"を 別人に変更する。

糸井は水橋によって呼び出されている。医者と成り果てた榊光が病院に幽閉されても正気を失わないように、話し相手の友達も閉じ込めようという目的。)











【榊家】

「はーい、すみません今家の人いないんですけど~」

と糸井が扉を開ける。

「ってええええええ!?なんで来ちゃったの!?」

「いやーーーッ!!変態!!可愛い僕をストーカーしてるの!?」


探索者たちを中に入れると糸井はリビングでここあと遊び始める。探索者たちのことはさほど気にしていないようだ。

(※リビングに居るように言われているからである。リビングには「糸井くんへ 食べてね」と書かれたゼリーが一人分置かれているが、これには睡眠薬が入っている。糸井はこれを食べて眠ってしまう。)



〈光の部屋〉

どこにでもあるような普通の部屋。部屋の隅にはベッド、その向かいには勉強机。あとはサッカーボールや医学書が乱雑に置かれている。


目星→

ベッドの下に丸まった紙がある。

「殆どの医者に見放された患者を受け入れている病院について聞いたことがありますか?最近、急に名前を聞くようになったところです。オレたち榊家に代わる医学界の代表になるのではないかと騒がれているのでつい気になって調べてみたんですが、色々と不審点が見つかりました。オレも実際に病院に行って調べてみたいのですが、こんな状況ですから中々外出ができなくて。先生さえ良ければオレの代わりにお願いできませんでしょうか」


勉強机→

引き出しの中には父親の部屋への鍵が入っている。

(※水橋が入れた。光の部屋には今誰も居ないので、隠しものに都合が良い。忍の部屋に侵入されると彼の異常性がバレてしまう)



〈忍の部屋〉


父の部屋→

部屋の中は物が散乱しており、床は本で埋もれていた。それから、本棚や机もある。


机→

パソコンと写真の置かれた引き出し付きの机。


写真→

シートのようなものがあり、そこに写真が挟んである。少し色褪せた結婚式の写真だ。2人の男女が幸せそうに腕を組みはにかんでいる。

《Bに記憶を渡す》


パソコン→

電源を入れると、何かのサイトを表示していた。慈愛病院という場所のホームページのようだ。全ての患者を見捨てず、全ての病や怪我を治すことをモットーにしているらしい。


引き出し→

アルバム。光、ここあ、妻の名前だろうか美里で別々にされている。

光……ピクニックではしゃぐ幼稚園の頃の写真、運動会で応援団長をやってる小学生の頃の写真など、たくさん残されている。最後は遊園地に行った高校生の頃のものらしい。

《Bに記憶を渡す。これで全てコンプリートとなり、頭痛は起こらない》

ここあ……お遊戯会で妖精の役をやっている写真など。まだ幼いからか記録も少ない。

美里……恋人だった頃に撮ったものだろうか、水族館でまだ若い男女が写っている。そんな感じのが数枚。最後の写真は、生後一ヶ月ほどの赤ちゃんを抱いていた。

(※美里はここあを産んですぐに亡くなった)


本に図書館→

大抵は医学の本だが、中に日記があった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今日は光の誕生日だ。俺がケーキに乗せるいちごを買いに行っている間に光はカップケーキを焼いていたらしい。ここあの喜びそうな、可愛らしいトッピングをして…最後は誰の誕生日だか分からなかったが、家族の時間とはこんなにも幸せだ。

誕生日おめでとう、光。母さんの分まで幸せに生きてくれ。


久しぶりに家族みんなで遊びに行った。

光の希望で数年ぶりにスキーに行ってみたが、俺も歳だな。どうもうまく滑れず何度も転んでしまった。光はすぐに滑れるようになっていたな。…息子相手に教えを乞う日が来るとは。俺もまだまだだ。





(暫く榊家の平穏な日常や働いている病院のことが綴られている)



人を、殺してしまった。

笑顔に溢れていて、ファン思いの優しい女性を殺してしまったのだ。俺は医者失格だ。アレだけ息子に将来立派な医者になるように言ってきたのに、当の俺がこんなことでどうする。本当にすまない。人を救う立場の俺がキミを殺してしまった。信じてくれなんて言ったくせにキミを殺してしまった。何とか罪を、罪を償わなければ。

光に呼ばれた。もうこんな時間だったのか。気分でもないし夕飯は断ろうと思ったのだが、どうやら向こうは無理矢理にでも食べさせるつもりらしい。我が家の小さなお姫様にもお願いされたら断れない。…気を使ってくれているのだろうか。

今日の夕飯は俺の好物ばかり揃っていた。中には何やら炭のようなものも置いていたが、アレはきっとここあが頑張ったのだろう。いつもなら絶対に口にしたくはないのだが、今日は自然と箸がそちらへ向いた。光が驚いたように俺を見ていた。苦くてじゃりじゃりしていたが、光の料理と同じぐらい美味しかった。



光の学校が特定された。どういう事だ?彼女の命を奪ったのは間違いなく俺だ。光は関係ない。息子への誹謗中傷を見る度に胸が苦しくなる。やめてくれ、子供たちは関係ない。でも俺にはそんなことすら言う資格はないのだ。全部、俺がまいた種。光、本当にすまない。光は、医者になりたいという強い意志を持ってる。どんな奴も救おうとする医者に相応しい意志を持っているのだ。



ここあが大泣きで帰ってきた。突然知らない男に突き飛ばされ、唾を吐かれたらしい。ここあはまだ5歳だ。5歳の女の子にそんなことをするとはどういうことだ。どうしてここあに手を出すんだ。ふざけるな。ここあの足にできた傷と、泣き顔を思い出すとグッと胸が締まる思いがする。これも俺がまいた種なんだ。



光、ここあ。亡くなったアイツが残した最愛の宝物達。アイツとの約束を果たさねば。子供達を守らねば。いつまでもくよくよするな、榊忍。息子達のために何が出来る?どうすれば二人を守れる?



光が刺された

.

.

.


慈愛病院から声をかけられた。本来の治療の代わりに特殊な手術をさせて欲しいと。彼等の言っていた、光の怪我を完璧に治し命を救う方法は気になる。光は助からないかもしれない。刺傷があまりに深く多すぎる。呼吸をしているのが奇跡だと言えるほどに。彼らなら、そんな光を救えるのか?

それから、手術の成功の暁には…光は立派な医者になれると言っていた。人を超えた存在になれる。息子が俺を超えて、俺の夢を継いでくれる。

それなら、光に手術を受けさせなければ。



彼等の元で光に受けさせる手術についての説明を聞いた。特殊な手術だから光の体に適性を作らなければいけないらしい。そのため彼等が作った薬を打つことになった。その説明の後 組織と共に光の腕に薬液が注射されるのを見守った。不思議なことに、注射を打たれるとぴくりと反応し腕を震わせた。意識が戻ったのかと思ったが、数秒苦しそうにしただけですぐに眠ってしまった。光、もうすぐ幸せになれるからな。絶対に助けるから。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2人がここまで読んだ時、1階から「ただいま戻りました♡」と声が聞こえる。メイドが帰ってきた。

そして、「トン、トン」と階段を登ってくる音が聞こえる。メイドが部屋に入るまで、もう1ページなら読める。どうやらそれが最後のページのようだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

俺もこれから彼等の手伝いをしなければならない。これまで以上に忙しくなってしまうだろう。

家に帰る時間も惜しい。明日からは彼等の用意した施設で寝泊まりをすることにする。しかし、ここあのことだけが気がかりだ。光がいないのに、あの子を1人にしていいのか?

そんなことを考えていたが、組織に相談したところ、組織の人間を家政婦として派遣してくれるらしい。優しそうな子だし、これなら安心だろう。

名前は、水橋依織さんだっただろうか?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



日記はここで終わっている。

──ガチャっ





同時に扉が開いた。メイド服に身をまとった少女…水橋依織が立っている。

「…い、糸井くんが言っていた知り合いって…あなた方のことだったんですか…!?」



名前→

「えっ?えっと、水橋依織と申します。不束ながら榊家の家政婦として務めさせていただいております♡(ちょっと動揺した様子を見せたが、愛想良くふわりと微笑んで)」





「ど、どうしましょう…。とりあえずこの部屋からでませんか?ご主人様のお部屋に長居するのも失礼ですし、ここじゃ休めませんから。」

「…ああ、もちろんその“ 日記 ”のことは内密にお願いします♡」






「もうすぐお夕飯の時間ですし、ご用意しようと思っていたんです。お任せください♡」

「今日一日分の疲れが溜まっておりますでしょうし…日記を読んで精神的にもお疲れですよね♡」

そう言うとふわりと微笑んだ。最初から変わらない、花のような笑顔だ。

(※探索者を殺そうとしている。)






お盆に豆腐とご飯、生姜焼き、味噌汁、オレンジのゼリー。

(※ただしこれらを食べてしまうとアウト。睡眠薬が入れられている)


探索者たちは、リビングで夕食を取ることになる。糸井がソファで眠っていて、ここあはぬいぐるみで遊んでいる。

「疲れて眠ってしまったんですかね~♡」

(※睡眠薬で眠っている)

途中、携帯の音が鳴り「わわ、すみません♡」と何か連絡機器のような物を取り出しながらお辞儀をして二階へ行ってしまった。



〈食べる場合〉

とても美味しいのだが、食べ終わる頃には強烈な睡魔に襲われて眠ってしまう。


聞き耳→

「…ふふ、糸井君も貴方達もずいぶん熱心ですね。組織に任せておけば全てが上手くいくのに…」

パリン、

「えっ?」

そこで探索者は意識を手放した。











ゆらゆら、ゆらゆら。揺蕩う意識はやがて浮上する。

何だろう、赤い。

赤色をしている。

何か倒れている。

鉄の匂いがする。

いや、そんなもんじゃない…生臭い。

探索者たちは目を覚ました。


辺り一面、血の海だ。壁や床に擦り付けられた血、飛び散った血、えがいた血。臓物や動物の毛、人間の目玉がところどころに見える。さきほどの落ち着いた榊家はどこへやら。無惨な死体は三体。肌は青白くなってしまって、血溜まりの赤とよく映えていた。


糸井桃華→

目をカッと見開いている。ぐしょぐしょに濡れた服の腹部が切り裂かれ、腸が引きずり出されている。


水橋依織→

顔はパーツごとに分解され、辺りに散らかされている。


榊ここあ→

小さな胸に包丁が刺さっている。両目を抉り出されていた。





目星→

壁に「またあそぼうね」と血文字が書かれている。動物の尻尾や人間の目玉がちぎれて落ちている。

(※ミケの残したメッセージ。尻尾は動物病院襲撃、目玉は警察署襲撃の犯人を匂わせるもの。)


キッチン→

ゴミ袋の中に「糸井君へ 食べてね」と書かれたメモと一緒にゼリーのカップが捨てられている。よく見ると針穴がある。

(※この針穴から睡眠薬を入れた)


探索者たちは家を出た。時刻は夜。

したいことがないなら今日はもう休むことをおすすめする。

「痛ましい事件のニュースが入ってきました。今日午後、××市の住宅で10代と見られる男性と女性の二人が殺されているのが発見されました。警察は、件の大量殺人犯との関連性を視野に入れて捜査しています」








〈食べない場合〉

探索者たちはそのまま家を出た。と言うわけで、夜。したいことがないなら今日はもう休むことをオススメする。

「痛ましい事件のニュースが入ってきました。今日午後、××市の住宅で10代と見られる男性と女性の二人が殺されているのが発見されました。警察は、件の大量殺人犯との関連性を視野に入れて捜査しています」


(※どちらのパターンでも、榊ここあの死体は警察内部で揉み消されて表に出てこない。糸井と水橋は事前にクローンの用意が整えられているが、ここあは慈愛病院に運ばれて今晩 新鮮な遺体からデータを取られる。

医学的に可能かどうかは気にしてはいけない。慈愛病院はニャルラトホテプとも接触しているし優秀な医者が多く在籍している。組織の超大さは計り知れない。)

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