シナリオ

ピースサイン/HO等

・地縛少年花子くんのキャラクターがモデル

・改変可

・以下に記すのはアレンジシナリオ

セッションの一週間ほど前からゆっくりと情報を開示していく。

【榊光の前日談】

｢いってきまーす！｣

眠そうに目を擦りながら手を振る妹に見送られ、家を出た。

途中すれ違う級友に手を振りながら、大股で坂を駆け登っていく。

オレの名前は榊光。高校生！将来の夢は医者になること！

俺の家系は代々医学に携わる職業に就いてきた。特に、オレの親父はその世界じゃ有名で、たくさんの人の命を救ってきた！オレはそんな親父に憧れて、医者を夢見ているんだ。

一歩、また一歩と大きく足を踏み出す。頬にあたる風が心地よい。

と言っても、まだ夢には程遠い。そもそも勉強、あんまり得意じゃねーし…血を見るとまだ時々ビビっちまう！怖いのはニガテなんだよ、だって怖えーだろ！

だけど、…信じたっていいだろうが。清々しい程の青空を見上げ、大きく息を吸う。ふてぶてしく、強く！それがオレ、榊光だッ！！

｢オレは、叶えてやるぞッ！！｣

首にかけたドラゴンのネックレスがチャリン、と音を立てた。

＿＿未来なんて来ないと知らずに。

街中、或いは自宅で探索者はとあるニュースを見ることになる。それは初めて耳にするものかもしれないし、もしかしたらもう知っているかもしれない。

新聞の一面にも大きく飾られており、ソレは嫌でも目に入ってくるだろう。

｢医療ミスにより大人気アイドル死亡 担当医師の榊忍氏の責任追及｣

｢榊忍氏の長男襲われる 意識不明の重体に｣

｢速報です。つい先程、○○県××市の警察署が襲われました。署内の人間は全員殺害されており、警察は犯人の行方を追っています。近隣の住民は十分に警戒し、外出を控えてください。繰り返します──｣

｢次のニュースです。本日午後、○○県××市の動物病院が襲われました。病院内の人間、動物はすべて殺害されており、警察はこの前起きた警察署襲撃事件と同一犯として捜査を進めています。｣

【榊ここあ】さかきここあ

榊家の長女、5歳。ちょっと強気だが元気いっぱいの女の子。榊家に生まれた者の宿命として彼女も将来は医療に携わる人間になる。

【榊光】さかきひかる

青空高校に通う榊家の長男。父親に憧れて、また家庭での教育の結果、医者になることを夢見ている。インターネットに書かれているような暴力的な人物ではなく、少年漫画の主人公のような正に"光"のような人。趣味はサッカー。多忙な父と亡くなった母に代わって 家事を全て担当している。将来の夢は医者だが 頭脳はそれに追いついておらず、本人の努力だけでは医者になれるか分からない。

【糸井桃華】いといとうか

探索者ACの依頼人。榊光の友達で、彼を捜している。女顔なのを気にしているが可愛いものは大好き。将来の夢は写真家で、これまでも幾つか賞を取っている。

【榊忍】さかきしのぶ

青空総合病院に勤める名医。医療ミスでアイドルを死なせてしまい、日本中の大バッシングに耐えきれず精神を病んだ。妻は 二人の子供を産んだ後に亡くなっており、形見でもある大切な家族を守ることに執着している。また榊家の伝統を重んじている為、子供たちにも医療関係の将来に進むことを熱望している。

【真宮夏季】まみやなつき

探索者Cの元担当医。チャラチャラした性格だが、束縛的でやりがい搾取な慈愛病院に勤めている苦労人で、私服もなかなか買えていない。ミケの管理を任され 日々怪我が耐えないが、生んでしまった身として責任を感じつつミケを嫌いにはなれない。

【水橋依織】みずはしいおり

慈愛病院から派遣される家政婦の一人。人形のような美人。常に笑みを絶やさず、探索者と慈愛病院に奉仕する。ここあの未来のような存在で、かつては平凡平和な家庭に生まれ幼いうちに親を亡くした子供だった。慈愛病院に引き取られて教育を受け、感情を抑制されたメイドになった。

【ミケ】みけ

Cと同じ容姿、同じ声。精神は矛盾だらけで酷く幼稚、そしてとても明るい。その実 INTは23で、コンピュータ(ハッキング)を通して探索者の行動を常時監視している。彼女の存在についてあまり真剣に考察する意味はない。矛盾と狂気の塊として捉えておいた方が気が楽。

【榊家】

由緒正しき医者の家系。生まれてきた者は全員 医療関係者になるように定められている。

【慈愛病院】

人が死なない世界を作ることを目指してがむしゃらに医療を発展させる組織。どんな怪我も病気も治せるようにし、例え死んでしまったとしても蘇らせて 死者の居ない世界を実現する。その為に神話生物の力を借りようとしている。

現在はその莫大な資産や高い技術力を活かし瀕死の人物のクローンを送り出すことで｢全ての人を完治させている｣が、精神面が不完全である為 完璧に治せていないと幹部たちの間で問題になっている。代替手段として浮上したのが、今シナリオで取り上げられる｢アブホースの落し子との融合実験｣である。これが成功すれば、死体の残っている全ての死者は被験者の手で復活させられる。

患者の代理として生み出された洗脳済クローン、自ら死者のクローンを望んで与えられた犯罪者被害者の遺族、狂信的な医者や科学者が所属している。しかしトップについては謎が多い。本当に救済の精神でやっているのか…世界の支配でも目指しているのか。

《探索者AのHO、導入》

貴方はとある事件の現場に遭遇した。どうやら少年が男に刺されたらしい。人混みが出来ていた為はっきりとその姿を確認することはできないが、幼い少女の泣き叫ぶ声と無数のシャッター音、救急隊員の焦りにも似た怒号が入り交じり現場は騒然としているだろう。

少年と幼い少女が救急車で運ばれた後、人混みは自然と解散していった。しかし、貴方はちょうど少年が倒れていたであろう辺りにドラゴンのネックレスが落ちていることに気が付く。綺麗だから自分のものにしたい、なんとなく、持ち主を探して後で返そうと思った、貴方のみぞ知る理由から貴方はそのネックレスを拾い、現在も所持している。

【ハンドアウト】

貴方は｢ドラゴンのネックレス｣を所持している。この情報はロールプレイでのみ公開可能。

(※ドラゴンのネックレスは榊光の私物。これを見せると榊光に近しい人から疑われにくくなる。また最悪の事態ではAFとしての機能を与えてもよい)

またAは糸井桃華の知り合いとなる。セッションの前に電話などで呼び出し、依頼をする。その際Aは糸井から榊家の住所を伝えられる。

また、Aは 最初に記憶喪失の頭痛に苦しむBを見た際 言い知れぬ不安を覚える。しかしこれはAの性格や関係性によってスルーしても良いHOである。

《探索者BのHO、導入》

貴方には親しい友達が居る。最近ニュースになっている榊忍の長男だ。ただし、貴方は何かが原因で…その記憶を忘れてしまった。

【ハンドアウト】

貴方は榊光という友達の記憶を失ってしまっている。

榊光に関わるものに接触すると強い頭痛が起こる。記憶の取り戻しは5回起こるが、この数字はRPの盛り上がりに合わせて調整して構わない。同時に 探索者が記憶を取り戻したがらない場合、強制する必要はない。

Bの性格に合わせ、記憶を取り戻す度に友達としての会話の一部を個人dmに送信していく。

Bは頭を強く殴られて気絶した状態で開始地点に倒れている。殴ったのはミケで、殺し損ねている。

記憶1…妹を紹介する

記憶2…苦手な勉強に前向きに取り組む

記憶3…父が起こした事件と自分の無力感

記憶4…母のこと、家事を担当していること

記憶5…相手を友達として認める内容

《探索者CのHO、導入》

ひとりっこ、糸井桃華の知り合い、酷い事故から奇跡的に生還している。

上記の条件に合わせて探索者を作ってもらう。Cはミケの鏡写しになる為 新規探索者が望ましいが、PLが望むならば既存でも構わない。

(※この段階ではミケの存在は伝えない。)

セッションの前に電話などで呼び出し、糸井から依頼をする。

昔 助からないような怪我を負って慈愛病院に搬送された。担当医だった真宮夏季は Cの死を予想してクローンを作成したが、本人は奇跡的な回復を見せてクローン無しで｢助かってしまった｣。同時に不運にもクローンにはコピーミスが起きており、ミケという残虐で矛盾だらけの存在が誕生してしまった。

【糸井桃華の台詞例】

｢あ、(探索者)くん！やっほー、可愛い僕に出会えて嬉しいでしょ？｣

｢と、に、か、く！今日は、可愛い僕からお願いしたいことあるんだよね。｣

｢あのさぁ、人探し?調査?やってくんない？｣

｢やったぁ！さすが(探索者)くん、頼りになる〜！えっとね、僕の友達。榊光って聞いたことない？｣

｢ほら、医療ミス事件の担当医の息子！｣

｢うるさいなぁ！言っとくけど、僕 (探索者)くんよりは顔面偏差値いいから！｣

｢…で、本題！その子、行方不明…なのかな。多分行方不明なんだよね。刺された後、行方が分からないの｣

｢頼みたいことっていうのはね、その子のこと探してほしいんだ。手がかりとかでもいいから、とにかく調べてよ！ねっ、お願い！｣

(Aのみ｢その子の家の住所教えておくから、何かの参考にしてよ。…無理だったらいいからね？(探索者)くんってポンコツそうだしミスしそうだも〜ん｣

そう言って糸井は榊光の住所を教えてくる。)

｢じゃ、よろしくね。｣