四話


それから…


その子は一人で来るようになり、握り飯のように作った粟を食いながらな。


ワシに色々話しかけてきた…










おいはな~


おまえみたいにきれいにはなをさかすんじゃ~


にんげんでもできるんど!


えへへ…ジュル…




なあ。

かあちゃんがびょうきなんじゃ…


おまえのきれいなん…

もってかえったらよろこぶかの…












ワシは、自慢のこの枝をくれてやると…

何度も何度も言うてやったが、聞こえとらんようじゃった。


ワシらの声が聞ける人間など、まあ無いに等しいからのう。












でも、むりや。

おいはやっぱり、おまえを千切ることはできんわい。


ともだちを千切るのは…

できんわい。












友達とは人間にとって…


そんなに大事なものとは、ワシはわからんかった。

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