五話


今日な、かあちゃん死んだんや。

へへ。


かあちゃんが…グス…

おい、泣いてもおられん…


泣いてええか?


なあ…グス…

うう…うわあああああん…











ワシは季節外れの花を。


あの風に頼んでなあ。

あの時は、涙で見えてないかも知れん。




その後、子供は大人になり…


嫁、そして三人の子供もでき、毎年上手そうな弁当と一本の酒を持っての。


家族みんなで、ワシの所へ来てくれたんじゃよ。












おい。酒をやってくれ。











はあ~い!











小さい娘が、一升の酒を重たそうに持って…


ワシに酒をくれた。










おじいちゃん、おいしい?

おとうちゃんもすきなんだよ~











ワシを爺さんと呼ばすなどもってのほかじゃがな!


これはワシに対する、恩返しなんじゃろうかの。


友達じゃからかの…


そうなのかも知れんの…

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