偽物の関係ってラブコメでよくあるよね
「やっぱりギャルゲーはやめられないなぁー。」
家での日課。1日に3時間ギャルゲーをプレイすると言うのを悠は欠かさずに行う。
前世からギャルゲーは好きで、悠になった今でもそれは変わらない。
幼稚園からギャルゲーをプレイしてた事により、親には心配されていたが、そんな事は悠にとっては慣れっこだった。
「あかりちゃんまじ天使……。あぁ、可愛いよぉ!あかりぢゃん!!」
ゲームのヒロインであるあかりに声をかけるが返事は返ってこない。
その時、悠のスマホから通知音がなる。
「なんだなんだ? ………千夏ちゃん!?」
『私の愚痴聞いてくれるって言ったよね?』
舞い上がっていた悠だったが、内容を見ると途端にテンションが下がる。
「なんだその事か……」
悠はため息をつき、文字を打ち込む。
『言ったな。』
悠が送った5秒後。もう返信が帰ってきた。
「はやっ!」
『私って可愛いからさ、理想との女子高生って呼ばれるのはわかるんだけど』
『ぶっちゃけ全然嬉しくないんだよね』
悠が読んでいる途中にまた返信が来る。
(今時の女子ってこんなに文字打つの早いの?JK凄いなぁ……)
関心しながらも悠は文字を打ち込み、千夏へ送信する。
『なんで嬉しくないの?』
『だってみんな勘違いして告白してくるの。話したことのない人までだよ?疲れるわ。』
『なら、その性格やめればいいじゃん。』
『そうしたらみんな幻滅するじゃん。それに私、あれ、いつも通りに過ごしてただけだよ?』
『素であれか?じゃあ今のこの状態は?』
『最近になってこんな感じになった。』
「なるほど、みんなの理想が重すぎた結果、今の悪千夏ちゃんが出来たって事か。」
純粋だった千夏がみんなの重すぎる期待により、汚れてしまった。そのみんなの一部であった悠も反省する。
『そっか……』
『だから男避けのために私と付き合ってるふりをしてよ。』
「えっ、ちょ待てよ。」
(付き合ってるふり!?これはラブコメ展開のテンプレにもなりつつある展開!ニセの恋人から本物の愛が芽生えるやーつじゃないのかこれ!?)
『……俺でよかったらいいよ。』
『うん。それじゃあ、明日一緒に帰るよ。』
「しゃああああぁぁぁぁーーーーーッ!!」
思わず大声で喜んでしまう。
「うるさい!!」
親が悠を叱り付ける。そんな事はどうでもいい。悠には親の声が届かなかった。
「偽の関係だけど俺にも遂に彼女が!!あぁ!ああぁっ!!」
叫ぶ事をやめない悠の部屋に遂に親が突入し、一発悠の頭を叩いた。
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