第3話:不破 蒼太!ここに見参!

次の日、私はいつものように学校へ行き、荷物を置く。

「おぉぉい〜!!!結衣〜!!!」

「はぁ...どうしたの、蒼太?」

このうるさい奴は不破 蒼太。

私の幼なじみで、これまで私に告白してフラれたこと15回と言う記録をもつ男だ。

「昨日、夜にスゲーカッコイイNSX見たよ!しかも、紫のやつ!」

「あ〜、はいはい。私も知ってるよ。言われなくても」

知ってるもなにも、昨日バトルしたばっかりなのだから。

「いやぁ、たまには俺も走りに行きてぇよ」

「あなたが事故ったのが悪いでしょ?」

「まぁ、そーだな笑」

蒼太は、ちょうど2ヶ月前に事故を起こして今はお休み中。

彼の愛車は青い180sx。

「...ねぇ、授業始まるよ、蒼太」

「おっ!そうだったな!じゃあな!」

「ばいばーい」

全く、車の事になると熱くなるんだから...

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そんなこんなで今日も学校が終わった。

「はぁぁあ!寝みー...結衣もそう思うだろ?」

「はいはい、眠いわね」

「なんだよ〜、その返事は〜!」

「私も眠いんだから〜」

「それを早く言え!」

「...じゃあ、私先に帰るね〜。じゃあね、蒼太〜」

「じゃな、結衣」

家に帰って来ては、赤羽さんの事を考えてしまう。

「...そんなに赤羽さんと会いたいの?私は...」

そして、時が過ぎ、また夜がやってきた。

「さてと、走りに行かなくちゃ」

私はいつも通りの支度をして、峠に向かった。

ギャルルル!!!

いつものように流したあと、ふと休憩所を見てみる。

「......あっ!」

そこには、1台見覚えのあるNSXが止まっていた。

しかし、赤羽さんの姿はない。

「...赤羽さんが、い、いない!?」


続く...

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