第四話 ギルドで腹ごしらえ

「……こうして俺は女神の導きで世界を救う?ために旅をしているところなんだ」

「なんて高尚こうしょうなこころざし!流石ピザムライ様!そんな凄い人にお仕えできるなんて、この脱穀米田だっこくまいた、世界一の果報者です!」

「いや、帰りなって言ったじゃない。なんで付いてきてるの少年。お母さん心配するよ?」

「LIMEで連絡したんで大丈夫です」

「異世界もSNS社会だったか〜」


 少年が仲間になった!

 いや、SNS社会でほぼ初対面の未成年をあちこち連れ回すとか、リスクが高すぎる。個人情報を特定されて社会的な死の恐れが出てきてしまう。


「とにかく、君は俺に仕えたりしなくていいから。そういうの別に募集してないし」

「まあまあ、僕の話を聞いてください。ピザムライ様は狗茶羅くちゃらの情報を集めているんですよね?」

「そうなんだけれども」

「情報収集ならギルド一択です!そして僕は最寄りのギルドの場所を知っています!これはもう、案内されるしかないですよね!?」


 場所だけ教えてくれたりは、しなさそうだな。うーん……


「いやでもなぁ……」

「さらに僕は、このギルドにあるフードコートで使える本日限定ランチ無料クーポンを二枚持っています」

「よし案内してくれ。腹が減っては正常な判断ができないからな。君を雇うかはランチの後にしよう」


 背に腹は……変えられない!たとえ、年端もいかない少年にたかることになるとしてもだ!

 俺たちは徒歩15分のところにあるギルドに移動した。


「はい到着!ここがギルド、『びいふ・すとろがのふ』です!」

「おお!ここが!──って、道の駅じゃねえか!」


 国道沿いにある結構イベントとかやってる目的を持って寄りたいタイプの道の駅じゃねえか!


「異世界にもあったのか道の駅……」

「ピザムライ様ー!フードコート行きましょー!ちなみに僕のオススメは特製チキンカレーですー!」

「あ、ビーフストロガノフじゃないんだな」


 俺は少年から無料クーポンを一つ貰い、少年オススメの特製チキンカレーを注文。少年と二人、ウキウキで食事を取り始めるのだった。

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