小さかった私が疑問に思っていたこと。



 当時の私は、祖父母の家によく泊まりに行きました。


 初めて泊まったのは、生後11か月の頃でした。


 その時。


 祖母が目を離したすきに、ハイハイしていた私は階段からころころ落ち。


 顔に大きな傷ができてしまったのでした。


 大人になった今でも、傷は消えていませんが、前髪で隠れる場所ではありました。


 しかし、そのエピソードを、母は悔しそうに。祖父母に文句は言わないのに、私に怒って話すのでした。


 祖父母の愚痴の内容は。


 思い出す限りでは。


 些細ないことばかりでした。


「家が汚い」「あの言い方が気に入らない」


 そういった感じのどうでもいい話ばかりでした。


 とにかく、母が祖父母が嫌いな事だけは、伝わってきました。




 私は、小さいながらも疑問でした。


 そんなに祖父母が嫌いなら。


 どうして、おじいちゃんおばあちゃんと会うの?。


 なんで、私をおじいちゃん、おばあちゃんと会せるの?。


 なんで、私「だけ」を祖父母と旅行に行かせるの?。


 なんで、私「だけ」を祖父母と買い物に行かせるの?


 なんで、いまだに私「だけ」祖父母を預けるの?。


 私だって、おじいちゃん、おばあちゃんが嫌いなのに。


 お母さんとお姉ちゃんの味方でいたいのに。


 どうして、私「だけ」お母さんとお姉ちゃんと一緒にいれないの?


 なんで、私「だけ」祖父母のところに時々預けられるの?


 


 そんな違和感と不満が、私は日に日にたまっていました。


 いつか。私「だけ」祖父母のところに預けられて。


 そのまま捨てられるんじゃないか。


 そんな不安がどんどん膨らんでいって。


 私は母に逆らえなくなってしまったのでした。



 うまく伝えられなくて。うまく気持ちがまとまらなかったけれど。


 そういった疑問を小さかった私は一度だけ母にぶつけました。


 そしたら母はさらに怒って言いました。


 「あのさ!!!。愚痴ったらいけないの?。話を聞いてくれないの?!。」


 私はびっくりして。


 母の愚痴を受け入れるしかありませんでした。 






  結婚した今なら。


 母も苦労したんだなって思います。


 でも、自分が選んだ結婚相手やその親族とうまく行かないからって。


 そして相手に言えないからって、子供に文句を言うのって。


 よくないと思うんですよねぇ。


 大人は自分の機嫌は自分で取れるけど。(金もあるし知識もあるし)


 子供ってそれができないですよね。


 母の、こういった部分は親になった今でも受け入れられないです。


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