序
@aikonism
序
自己満足と呼ばれるただそれだけのもの。
これは私にとって「苦しみのおすそ分け」。
私が、電車の中で、楽しい時間のふとした瞬間に、深夜に感じているすべての、
胸を締め付ける感情を一つ残らず、あなたに分けてあげたいと思った。
そのためには、私には言葉が必要だった。
あなたの中に私を刻み込ませるのに、言葉だけがそれを成し得た。
私の考えるすべてのことが言葉にできたなら、そしてそれをすべて垂れ流せたなら、
私はこんなに苦しまないで済むのに。
「言えない」ということがこんなにもどかしいなんて。
「言わない」という美学に賛同する自分もいるなんて。
綺麗な空や澄んだ夜は、私を酷く切なくさせる。
絞り出す言葉はどれも弱々しくて、まるで作られたポエムのようにこそばゆい。
どれも本音なのに、どれも格好悪いだなんて。
いつからこんなに弱くなったのかを考えるのは、とうの昔にやめた。
言葉であなたを揺らがせたいのに、うまいことはいつも言えない。
私は言葉を紡ぐのが下手だから。
あなたに伝わるかどうかはわからないけれど。
私はここで叫んでいます。
本当のことなんて、わかってほしい人がわかっていればそれでいい。
それがあなたでありますように。
序 @aikonism
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。序の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます