病原体から離れる

最近ふと、

「苦手な人と一緒に過ごす時間の苦痛ってコロナ肺炎に似てるなあ」

という、上手い例えを思いついたので書いておきます。


まず、今回のコロナ感染症による肺などへのダメージは、ウイルスそのものではなく免疫の過剰反応によるものである、という説が有力です(もっと詳しく知りたいかたには、「サイトカインストーム」での検索をお勧めします)。

つまり、本来は身体を守るはずの免疫が、逆に身体を傷つけて、最悪の場合は死に至らしめてしまうのです。


苦手な人と過ごすことによる辛さも、それと似ているのかもしれません。

今まで散々自分の夢や人格を否定してきたり一挙手一投足でも気に入らなければ怒ったりしてきた相手と一緒に過ごしていると、

「苦手な人の視界の中では怒られる言動は控えよう」

「怒られても怒りや落ち込みを抑えたり隠したりしよう」

という心の防御モードが、実際に波風立っていない時でも、常時オンになるのです。

当然ながら、それによる神経の緊張が、精神力をじわじわと削っていきます。それがひどくなってくると、この世に自分が存在する意義さえも感じられなくなってきます。

つまり、自分を守るための防御反応のためにかえって苦しくなる。そういう意味で、コロナ肺炎と似ていると思ったのです。


自分も、身近な苦手な人の筆頭である両親と一緒にいると、その防御反応が「発症」します。

昔は、その防御反応のみを「治療」することで、精神的に健康になれると思っていました。

しかし、コロナ感染症だって、病原体であるウイルスそのものをやっつけなければ治せません。自分の場合、さすがに両親をやっつけるわけにはいきませんが、それでも心の健康のために、「病原体」自体から離れる努力をやっと今年始めました。

最近しているその努力のことも、また書きたい時に書きます。


この記事が、一人でも多くの人の心の健康に役立てば幸いです。

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