勇気ある行動

現在、観測史上最強クラスの台風が自分の住んでいるところに接近しています(この記事を書いてる時点では、まだ「嵐の前の静けさ」という感じです)。

自分の家は、今までの台風でも壊れてきませんでした。しかし、今回は「今まで大丈夫だった」が通用しないかもしれません。

それでも両親は自宅待機するつもり(足腰が弱った母方の祖母が泊まっていることも理由です)で、説得を試みても無駄だろう……と自分は諦めていたため、自分一人だけでも、市内のホテルへ避難しようと考えました。


結果から言うと、予約の電話を入れたものの、いっぱいだったので断念しました。

その電話をするまでに、恐ろしく時間とエネルギーを使いました。14時ごろから15時過ぎまでずっと実行するかどうか迷っていて、いざ実際に電話しようとしても、バリアに阻まれているかのように右手の人差し指をスマホの通話ボタンにタッチさせられず、左手の親指を添えてやっとタップできたほどです。


迷っている間、自分の命がかかっている時でさえ、母の顔色を気にしている自分に気付きました。つまり、きっと一人で逃げたら母がいい顔をしない(案の定、ホテルを予約しようとしたことを後で話したら責められました)だろう、と無意識に思っていたのです。

また逆に、普段家にいる時、両親の顔色を気にしている代わりに守ってもらっている、という偽りの安心を感じている自分にも気づきました。

それを自覚した後は、「これは実家の重力を振り切るチャンスだぞ!?」とか「大丈夫! 家を離れても優しい人たちが助けてくれる!」とか「これも大人になる練習!」とか必死に自分に言い聞かせて、やっとホテルの予約を取る決断をできました。

そして電話の後は、(成果がなくても)勇気ある行動をしたことに謎の満足感があり、少し泣いたほどです。


「ホテルに予約の電話を入れる」という、自立した大人にとっては(多分)簡単な行動のために、自分はかなりの勇気を必要としました。

それを実行できたことで、きっと自分も自立できるという自信がまた少し付きました。

この台風を乗り切ったら、その自信を育て続けたいです。

読者様も、どうかご無事でいてくださるよう願っています。

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