弟のこと

自分には、1歳下の弟がいます。

彼は実家を離れて社会人(正社員)をやってるのですが、

「うちの家族はおかしい」

ということを、ときどき言っていました。


自分としても、

・父方の祖母に、長子である自分(大沢)ばかりひいきされる一方、下の子である弟は蔑まれて怒られてきた(酷いときだと、辞書などの重い本をぼんぼん投げつけられていました)

・弟が風邪をひいて布団に嘔吐したとき、(体調を崩しててしんどいのに)母に「ちゃんと洗面器かトイレに吐け!」みたいなことを怒鳴られていた

など、彼が受けていた酷い扱い(今思うと、立派な虐待です)を断片的にですが覚えています。


昨日弟とLINEで話したのですが、困ってる人を助ける・苦しんでる人の話を聞くなど、人として当たり前のことがどうしてうちの家族にはできないのか疑問だった、と彼は言っていました。

思えば自分も、弟が祖母や両親に怒られたり(下手すれば肉体的に暴力を振るわれたり)風邪で寝込んだりしてたときに彼を助けた記憶がほとんどないので、「人として当たり前のことができない家族」の立派な一員かもしれません(そのことについて、「俺を助けなかったこと、何も感じてないの?」という、ぞっとする質問もされました)。


弟に言わせると、昔のうちの環境は「自分の生命を確保することだけを考えないと生きていけない極限状態」だそうです。

自分は、そこから思い切って離れた彼の自立心をうらやむと同時に、その極限状態の中で彼を助けてこなかったことを、今では申し訳なく思っています。

それと、弟と話して、うちの両親のようなタイプの毒親が生まれる理由についてより深く考えられたのですが、それは後日書きます。


繰り返しますが、弟は実家を離れたので、その異常さをより明確に理解できているのだと思います。

家族について「うちの家族なんか嫌……」程度にもやもやしているかたも、今は家を離れられなくても、その「嫌……」という感覚に耳を傾けていいと思います。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る