第235話 江戸の重鎮の来場
その上覧剣術大試合の三日後、道場に珍しい客がやって来た。
滅多に外に出ない弾左衛門が次郎太、幸を連れ四郎兵衛と仙太郎と律と言う娘を伴いやって来たのだ。
勿論、上覧剣術大試合の祝いの為である。
「立派な道場ですなぁ~、四郎兵衛様」
「本に立派な建屋ですな、弾左衛門様、百人以上が鍛錬出来ましょう」
初老の四郎兵衛と弾左衛門の二人を先頭にして後ろに共を二名づつ連れて道場の門を潜った。
「仙太郎、訪いを告げてくれぬか」
仙太郎は母屋に向かい皆が後に続いた。
「御免下され」
「・・・」
「御免下され」
「はいな、何方さんで?」
「弾左衛門様と四郎兵衛が参ったと龍一郎様にお伝え願いたい」
「弾左衛門様と四郎兵衛様で御座いますな、少々お待ち下さい」
応対に出て来た弟子の一人が奥へと知らせに行った。
暫くして、龍一郎自らが母屋の玄関に現れた。
「珍しいお客様で御座います、弾左衛門様と四郎兵衛様が御一緒とは、お上がり下さい」
龍一郎を先導に皆が広間へ通った。
其処には小兵衛を上座にお久とお佐紀が座り、今日の師範代を務めた清吉と平四郎が下手に座っていた。
龍一郎がが障子を開け皆を中に招き入れ清吉と平四郎の上座に座らせた。
玄関に応対に出た弟子からお客様の人数を聞き、間を開けて座っていた。
「此方が我が父・橘小兵衛、母・お久、我が妻女・お佐紀、我が友・平四郎殿、清吉殿で御座る、父上、本日お見えのお客人は吉原会所頭取・四郎兵衛様と浅草弾左衛門様とそのお供の方々で御座います」
「おぉ~、会所の四郎兵衛殿で御座るか、そしてもう一方が噂の浅草弾左衛門様で御座るか、本にいらしたのですなぁ~、儂は噂かと思うておった」
「本日は突然の来訪、ご勘弁下され、龍一郎様が勝者になられた故に祝いをと四郎兵衛殿をお誘いし参りました」
「しかし、弾左衛門様、本に成人の部の勝者と次席、女子の部の勝者と次席がこの場におられますぞ」
「本に、これ程、安全な処は御座いませぬなぁ~」
「何を申される、そちらこそ吉原を束ねる会所の頭取と非人を束ねる弾左衛門様の揃い踏みですぞ」
弾左衛門と四郎兵衛の賞賛の言葉に小兵衛が反論した。
「私など只の会所の頭取に過ぎませぬし町場には毎日の様に出て居ります、ですがこちらの弾左衛門様は屋敷を離れる事は稀で御座いますそうな」
その刻、広間に酒器を持ってお駒とお峰が入って来た。
手伝いに佐紀が立ち上がって酒器を受け取ると弾左衛門と四郎兵衛に酒を注いだ。
杯を受け取り佐紀から酌を受けながら佐紀の顔を見た弾左衛門と四郎兵衛が固まってしまった。
横に座る男の仙太郎と次郎太、女の幸、律までもが佐紀を見て固まっていた。
「・・・」
「・・・」
「まぁ~な、初めて佐紀に会うた者の反応は見慣れたものじゃが、毎度、毎度、皆同じじゃな」
小兵衛の言葉に我に返った弾左衛門が漸く言葉を発した。
「噂には聞いておりました、龍一郎様の奥方、お佐紀様の見目麗しさをのぉ、先の大試合では遠眼でしか見え何だが・・・所詮、噂など尾鰭はひれが付いて半分も本当の事は無いと思うておったが、この噂は真であったわ」
「弾左衛門様はどの様な噂をお聞きになったかは存じませぬが、私が聞いた噂は息する事も忘れる美しさ、と言うものでした、私は本に息が止まりました」
二人の老人が目覚めたが二人の若者は未だに佐紀に眼を奪われていた。
「次郎太、次郎太、これ次郎太~」
「仙太郎、仙太郎、これ仙太郎~」
「あぁ、はい」
「あぁ、はい」
「呼ばれましたか、弾左衛門様」
「何ですか、親父」
仙太郎は仕事中は親子である事を隠す約定も忘れていた。
佐紀は弾左衛門と四郎兵衛の前に座していたが暫くして自席に戻り座った。
六人は呪縛が解けた様に眼をぱちくりと瞬きしていた。
「皆さまのお気持ちは良く解ります、度々お会いしている私も刻に見惚れて仕舞います」
清吉が六人の心の中を代弁する様に言った。
「四郎兵衛様と仙太郎殿は吉原で絶世の美女と言われる太夫を見慣れておられ様になぁ~」
「太夫は確かに綺麗です、綺麗です、見目麗しい・・・がお佐紀様は何かが違う・・・何であろうか・・・」
「儂はお佐紀様は大試合の勝者である事、剣、武術に強く、その自信が、気持ちの余裕が見た目に現れているからでは無いかと思う、四郎兵衛殿」
「成程、お佐紀様の様な魅力を持つ女性(にょしょう)は初めてです、お佐紀様程の剣と武術の力を持つ方を聞いた事も有りませぬ、そうなのでしょうなぁ~」
「それに関して龍一郎様にお願いが御座います、共に二人を連れて来た訳は二人を弟子にして貰えぬかと思うてで御座います、二人の気持ちは確かめて御座います、どの様な過酷な鍛錬も耐えてみせると申しております、是非、門下にお願い申します」
「私も弾左衛門様の考えをお聞きし共に連れて来た二人に気持ちを確かめて参りました、仙太郎は私の後を継ぎ七代目になる者です、この仕事はしばしば危ない事も御座います、是非にも弟子にして下され」
「誠一郎、舞、降りて参れ」
龍一郎様の言葉の後に広間の中央に男女の二人が突然現れて六人の客人を驚かせた。
「この者たちは子供で技もまだまだ未熟で御座います、お供の四人に二人から鍛錬の為の準備の鍛錬方法を説明させます、それをお聞きになり、再度の覚悟をお聞きしとう御座います、宜しいか」
「お願い申す」
「お願い申します」
「付いて来られよ」
誠一郎の言葉に四人の共が立ち上がり道場へ向かう後に続き広間を立ち去った。
「今の二人が未熟者の動きで御座いますか、此方におられるお二人、館長と二人の妻女殿も今の二人以上と言う事でしょうか」
「無論の事、そこに居る清吉は以前にご挨拶に伺いましたで御存じでしょう、今一人は平四郎殿と申し先の大試合で私と準決勝を戦いました者で御座います」
「平四郎と申します、以後、良しなに」
「こちらこそよろしくお願い申します」
「以後、長いお付き合いをお願い申します」
「おぉ~、忘れておりました、龍一郎様、以前に見えられた後、大岡様がお一人で見えられました・・・」
龍一郎に清吉と共に連れられて来て二日後に忠助は吉原を訪れた。
深編笠を被った忠助が大門を潜るり左を見ると、その日は面番所の役人が立っていた。
南町奉行所の同心、つまりは忠助の配下である。
ちらりと見た後、向きを右に変え会所へ向かい戸の前に立つ者に深編笠を持ち上げ顔を晒した。
「四郎兵衛殿に忠助が参ったと伝えてくれぬか」
「お武家様、失礼とは存じますがお尋ね申します、約定は御座いますか」
「いや、御座らぬ、成れど忠助が参ったと申せば必ずやお会いに成られるはずじゃ」
「見張り番の者が戸を開けて中の者に事付けをした。
暫くすると廊下をどかどかと走る音が聞こえ戸が開けられた。
「これは、大岡様、良くぞいらっしゃいました、さぁさぁお上がり下さい」
四郎兵衛がが小上がりから忠助に声を掛けた。
忠助は中に入ると四郎兵衛の後に付いて小上がりから奥へと通った。
「おい、頭取は今、大岡様と言わなかったか」
「言ったな」
「大岡様ってよ、ひよっとして南の奉行じゃ有るまいな」
「そんな馬鹿な・・・しかし、大岡なんて知り合いが頭取に居たっけな」
「さぁ~、初めて聞く名だなぁ~」
戸の外と中の見張り番の奇妙な会話だった。
四郎兵衛は定席の火鉢の上座を開けて忠助に座る様に勧めた。
「四郎兵衛殿、そこは其方の定席で御座る、遠慮のぉ~お座り下さい」
「宜しいのですか、大岡様は捌けたお人ですな~、では遠慮のぉ~失礼致します」
「本日は先日お伺いした返しと思うて下され」
「おや、大岡様は妓楼の仕来りにお詳しい様で御座いますな」
「そうでも御座らぬ、数少ない知識の一つに御座る」
「本当の処の御用向きは何で御座いましょう」
「本当も何も御座らぬ、某は刻に市中を散策しておってな、本日は思い立って、こちらに足を向けたまでの事で御座る、迷惑であったかのぉ~」
「いえいえ、迷惑など御座いませぬ、強いて申せば困惑で御座います、未だかつて奉行自らが吉原に足を踏み入れた方は大岡様が初めてではなかろうかと存じます、先日は三人でしたが、本日はお一人・・・驚きで御座います」
その刻、「失礼致します」との声が掛かり障子が開かれ娘が茶と菓子を運んで来た。
「この娘は先日、お目通り致しました仙太郎の嫁の律で御座います、お見知り起き下さい、律、こちらのお方は南町奉行の大岡様じゃ」
「・・・律で御座います、どうぞよろしくお願い申します」
「律殿、こちらこそよろしくお願いします」
「失礼致しました」
律は引き上げて行った。
「良い跡継ぎ夫婦で御座いますな、後は八代目を待つのみですか」
「はい、早く孫の顔が見たいものです、しかし、こればかりは天に任すのみで御座います、大岡様にお子様はいらっしゃいますか、巷の噂では娘子がおられるとか」
「巷の噂ではどうもその様です、真の処は上に男子が居り申す、が素行が悪く家にも寄り付かず、その様な噂が広まった様で御座います」
「それはまた難儀な事で御座いますなぁ~、役目柄捨てもおけますまいに」
「それがですな、四郎兵衛殿、何の目論見も無く昔馴染みの龍一郎殿にたまたま市中にて会うた刻に倅の素行を良くしてくれ、と願うたので御座るよ」
「ほうほう、どうなりましたな、大岡様」
「別人に成り申した」
「別人とはいか様な意味で御座いましょう」
「素行が良くなる処か、通り越して品行方正にして剣の達人に成り申した」
「何と剣の達人に・・・」
「昔の悪たれの面影など微塵も無く、親としては嬉しいやら寂しいやら複雑な気持ちに御座る」
「同じ子を持つ親としてお気持ちは良く解ります、立派な大人になってほしい様な、何時までも子供でいてほしい様な複雑な気持ちかと存じます」
「左様、その様な気持ちかのぉ~」
「これも巷の噂ですが南のお奉行は剣の達人との事でしたが、倅様はその上を行きますか」
「四郎兵衛殿、某など稚児扱いで御座る、倅に稚児扱いされるとはお笑いで御座るよ」
「それ程以前から倅殿を龍一郎殿に預けられましたか」
「いいえ、それが一年も経って居りませぬ、龍一郎様に預けるまでの倅は剣の鍛錬所には通っておりましたが棒振り程度の腕前で御座いました」
「何と一年も経たずして達人の域に達したと申されますか」
「信じられぬでしょうなぁ~、某も信じられぬ思いでした、変わったのは剣の腕前だけでは御座らぬ、顔付、仕草、礼儀作法まで・・・まるで別人で御座いました、挙句には父の命より龍一郎様の命が大事と申しました」
「命とはいのちの事でしょうか、指示の事でしょうか」
「両方と思われます」
「何と・・・」
「四郎兵衛殿にお伝えせねば成らぬ事が御座います、弾左衛門様には話の行き係り上にて漏らしました故に其方様にも申しておきます・・・」
「何で御座いましょう」
「龍一郎様の出自で御座います」
「龍一郎様の出自・・・」
「はい、龍一郎様は性を橘と申します、が御養子に御座います、以前の姓は前田で御座います、龍一郎様は加賀藩前田家嫡男に御座います」
「何と・・・」
「信じられぬ事でしょうなぁ~」
「大岡様のお言葉なれど俄かには信じられませぬ」
「昔の昔の事で御座いますが、幼少の龍一郎様と上様が仲睦まじく戯れていた事を昨日の事の様に覚えて居ります」
「上様と龍一郎様は幼馴染で御座いますか」
「左様、既に城中にて幾度かお会いに成られております」
「その様なお方が私めなどに挨拶に見えられたとは・・・」
「龍一郎様はそう言うお方で御座います、服装、金銭、身分になど囚われず誰に対しても同じ様に丁寧に接し為されます、見習うべき処かと存じます、龍一郎様曰く、人の本性が解るそうに御座います、確かに某も見習う様に成りました処、大いに人の本性が解り易く成り申した」
「その本位は・・・」
「上等な服装、銭の多く持つ者、身分の高い者には媚び諂い、逆の者には態度ががらりと変わる者は信用しては成らぬと言う事です、誰にでも優しく接して居りますと優しさで返す者と着け上がる者がおります、後者は信用しては成らず、此れが解り易くなるので御座る」
「成程、儂など小僧の考えで有りました、高飛車が権威を表すものと思うておりました、考えを改めまする、龍一郎様と言うお方は儒学者の様なお方ですなぁ~」
「それだけでは御座いませぬ、某を稚児扱いする倅が龍一郎様には稚児扱い処か相手にも成らないと申しております」
「何と、剣の技前も優れておられるか、うむ~・・・そのお方の出自が・・・信じられぬ、信じられませぬ、私の知る大名、旗本の倅たちは権威に弱く、弱い者や身分の低い者には高飛車で銭に汚く碌な奴では御座いませぬ」
「で、あろうなぁ~、某とて同じ思いじゃ、それだけに龍一郎様の凄さ、素晴らしさが際立つのじゃ」
「今一度お会いしたいものです、身分を知ったからではのぉ~て、あのお方の考えをお聞きしたい」
「某を稚児の様に扱う倅は化け物の様に強う成りました・・・あのお方の周りにはその化け物が何匹も居り申す、失礼ながら、この会所に何人の配下がおられるかは存ぜぬが、その化け物一匹で退治されてしまう事でござろう」
「それ程に強いのですか」
「信じられぬであろうなぁ~、某の屋敷は奉行所の役宅でそれ成りの警護がされておりますが、あの者の仲間は某の寝所に気付かれる事無く何人も参りました、剣の技でれでは無く忍びの技も心得ております、もしやしたら今もこの会話を聞いておるやも知れませぬ」
二人は部屋の四方八方を見渡した。
「某には仲間が何人いるのやら検討も付かぬ、あの者の仲間は弟子であるにも関わらず配下とは思うて居らぬ、仲間、家族と思うて居る、家族には隠し事無く、何故嫡男であるにも関わらずお家を出ておるかも話した様じゃ、倅は知っているらしいが無論の事、某には話してはくれぬ、だが、それが今日の龍一郎様がおる事になったのも事実、それが無ければ其方や某が知っている、その辺の馬鹿息子であったやも知れぬて」
二人は最近の江戸の事柄を話柄に一刻程話をした。
「思いの外、長居をしてしもうた、忙しいであろうに迷惑を掛け申した、お暇致す、又お邪魔しも宜しいかな」
「大岡様なれば何時何刻でも大歓迎に御座います、是非にもお立ち寄り下さい、お待ち申して居ります」
「では、四郎兵衛殿、息災でな、また合いましょう」
忠助が廊下を歩き小上がりから戸を開け外に出ると四郎兵衛も外に出て最後の挨拶をした。
忠助は大門へ向かったが何を思ったか向きを面番所の方へ変えた。
「その方、会所に迷惑など掛けては居るまいな」
「お侍、会所は町屋の人間だ、こっちは奉行所の役人だ、こっちの方が立場が上なんだよ、余計な事を言わずにとっとと帰れ、帰れ」
忠助は深編笠を少し持ち上げ顔を晒した。
面番所の同心は奉行所の中でも下級武士で奉行とは話など出来る身分では無かったが遠目とは言え奉行の顔は知っていた。
忠助の顔を見た瞬間に同心の顔が引き釣り青ざめて行きぶるぶると震え出した。
同心はその場で土下座し拝礼した。
「私は相手により態度を変える人間が好きではありません、皆に親切で丁寧な態度を願います、今後も職務に励む様に、会所の頭取とは入魂の仲です、ご迷惑を掛けぬ様にして下さい」
忠助はそう言うと大門を通り吉原を後にした。
土下座して同心は暫く立ち上がる事も出来ず只茫然と忠助が去った大門を見詰めていた。
それを会所の前で見聞きしていた四郎兵衛の配下の者が言った。
「あのお方は南の大岡様にちげいねぇ~、頭取、そうですよね」
「さぁ~、知らないね、私には只の大岡様ですがな」
四郎兵衛はそう言って奥へと引き返した。
「頭取が玄関の外まで見送るなんて、そうそうあるもんじゃね~や、ありぁ~間違いねい、南の奉行だぜ」
「頭取が知らないと言って為さるんだ、誰にも言うんじゃねぇ~、良いな、解ったな、俺らは忘八だが逆だ、八つの仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌を忘れちゃならねい、良いな」
「へい」
「へい、兄貴」
四郎兵衛は忠助が再訪した刻の事を掻い摘んで皆に聞かせた。
「そうですか、忠助殿が再訪されましたか、四郎兵衛殿がお気に召したのでしょう、それで面番所の役人が会所の迷惑に成らぬ様に釘を差しに行かれたのだと思います」
「私などが大岡様とお付き合いなどしてご迷惑では無いのでしょうか」
「四郎兵衛殿と弾左衛門殿の情報網は優れたものです、是非にも忠助殿に御助成下さい」
「はい」
「畏まりました」
その刻、道場に行っていた誠一郎と舞が四人を連れて戻って来た。
四人の動きはぎこちなく足と手に重しを着けている事が伺われた、つまり鍛錬が始まったのである。
「四人はお二人に取って腹心で御座いましょう、その四人が鍛錬に為に何時何刻でも居なくなっても良い様に三番目、四番目の腹心を育てて置いて頂きたい、宜しいでしょうか」
「畏まりました、備えて起きます」
この言葉を潮に六人は道場を後にし帰路に着いた。
無論、影護衛が付いていた。
「仙太郎、律、どうじゃ、出来るかな」
「過酷な道のりの様です、ですがやり遂げて見せます、私も誠一郎殿、龍一郎様の様に成りとう御座います」
「私もお佐紀様の様に風格と自信と優雅さを身に付けとう御座います」
「そうか、女子の其方にはお佐紀様は風格と自信と優雅さと見えるのか」
「次郎太、幸はどうじゃ」
「仙太郎殿と同じ思いです、必ずややり遂げて見せます、手本と成られるお方が居られます故」
「私も律様と同じ思いです、お佐紀様の様に成りとう御座います」
六人の帰りの歩みは行きよりも四人はよたよたとしていたが活力に溢れた歩みであった。
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