*********前**。

**は生まれたばかりの弟の傍から離れようとしない。

今までずっと末っ子だからか甘えん坊であったけれど、最近少しお兄さんぶるようになってきた。

みんな、赤ちゃん返りするんじゃないかと言っていたけれど、その様子はない。

気づけば弟の傍に張り付いて、まだふにゃふにゃしている弟を、時折頬をそっとつつきながら、ずっと眺めている。


「**」


「あ、にいちゃん。ねぇ、かわいい!」


「だね。ほら、**。おやつだよ。向こう行こう」


「はーい」


**を連れて居間へ。末っ子の傍には母がついているから、大丈夫。

お土産に、と頂いたカステイラを兄弟そろってほおばる。

末っ子がいないと**はやっぱり甘えん坊な面が出てくるようで、今も弟の膝の上でにこにこしている。

**は特に彼になついているから、そこがいつも定位置。

こんな日がずっと続いていくのだと、そう思っていた。

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