LV UP

空き教室の埃を被った机の上に、アンドレイは腰掛け説明を始めた、


「『メニュー』の『キャラクター』を開いてくれたまえ」


「はいはい」


ホロウインドウを思考で呼び出し操作する。

朝も驚いたが本当に凄い技術だ……まぁ、普通に使えるから使うんだけどね。


ポチっと言われた通り操作する。


_____________


非表示

【Name: 木更津 響(Laty)】


現実種族:『ホモサピエンス』

【ヒューマン(一部を除く)】


称号:『臨死体験ソムリエ』『持たざる者』


LV: 『1』 【18】

現実リアル経験値:1010


HP: 50【200】

MP: 50 【205】


STR(力): 5【45】

INT(知力): 5【45】

DEX(器用): 5【45】

AGI(敏捷): 5【45】

MIN(精神): 5【45】

VIT(頑強): 5【45】

SP(スキルポイント):600

VAR(拡張性): 0【1000】


オリジンスキル:

『愚者の傲慢』

混在之腕シェイクハンド


_____________


さっき言ってたレベル1って話はこれかな。


ステータスが【】黒いかっこに入ってるのはゲーム内のステータスっぽい。


ゲーム内とはステータスが別に必要なの?


「現実世界とゲーム世界の身体は別物だからね、向こうでは種族も人ではないプレイヤーもいるだろう?


また、ゲームの世界とは違った法則に囚われるから、スキルによっては使えないものもある。


スキルポイントはゲーム内と共有されているからスキルが足りなければこちらでも手に入れられるぞ。」


なるほど……

「現実世界で強くなると向こうの世界のステータスに補正がかかるが、ゲーム世界側のステータスからこちらに補正がかかりはしない。


また、VARでのパラメーターへの割り振りは現実ステータスには割り振れない。現実リアル経験値を割り振ってくれたまえ」


よし、理解した。


『エル』のステータスもこっちから確認が出来た


_____________

【Name: EL 】


種族:『negatio-lux≒esse』


状態:『現実フィールド効果により弱体化中』


称号:『光亡きモノ』『異形の左腕』


LV: 1【18】

現実リアル経験値:1010


HP:- (player:Latyとの共有)

MP:1330


STR(力): 5【2150】

INT(知力): 5【1130】

DEX(器用): 5【315】

AGI(敏捷): 5【460】

MIN(精神): 5【200】

VIT(頑強): 5【746】

SP(スキルポイント):160

VAR(拡張性): 0【80】


スキル:

『暗き光』(弱体化)

【効果】体積の一番大きな瞳から魔術系ダメージ(中)の光線を放つ

【行動】20秒の溜めと、使用後1分感は使用した瞳から視力を失う。MP全消費


『光届かぬ口腔』【弱体化】

【効果】口に収まるサイズの魔術・飛び道具を補食した場合、ダメージを計算しない。


現実世界にいる為、口のサイズの上限が小さくなっています。


【行動】無し、種族固有スキル


『不定形の身体』【弱体化】

【効果】身体構造を自由に変更できる。

連続で変更する場合はクールタイムが必要。

体積には限界がある。


現実世界にいる場合、体積が減る。


【行動】無し、前提種族固有スキル


_____________


相変わらず強い、だけど


……現実世界だと凄まじく弱体化してる。


「これはひどい」


「私の身体が通りで重たいわけだ。」


エルは自身の余りの不遇っぷりに呆然としてる。


「正直に言うとテイマーの存在は予想されていたが、君たちみたいな人とモンスターのキメラは想定外の存在でね。

パラメーターがどうしてもラティ君の方に、現実世界だと引っ張られてしまうようだ。」


「じゃあ、ぼくが強くなればエルも強くなります?」



賢い生徒を誉める先生のように嬉しそうに頷いた。


「もちろん!むしろ、並みのテイムモンスターよりも伸びしろはあるだろう。テイムモンスターは現実リアル経験値が存在しない。


エルくんは現実リアル経験値が入ってる。完全な計算外だ?天才の私ですら予想だにしていない事態で内心焦ってすらいる。」


アンドレイは少し不思議そうにしてるが、は強くなれるのさえ分かればいい。


プレイヤーには確かにバグなど利用こそすれ、パッチや修正に頭を悩ませるものではないか。


ならばとにかく割り振りたまえ。

そうすればレベルのカウントが上がり、


「はーい、わかりました」


_____________


非表示

【Name: 木更津 響(Laty)】


LV: 『8』 【18】

現実リアル経験値:1010→10


HP: 70【200】

MP: 70 【205】


STR(力): 5【45】→15

INT(知力): 5【45】→15

DEX(器用): 5【45】→20

AGI(敏捷): 5【45】→25

MIN(精神): 5【45】→15

VIT(頑強): 5【45】→20

SP(スキルポイント):600

VAR(拡張性): 0【1000】


_____________


最初のステータス5~15までは

現実リアル経験値消費が10ポイントで1上昇。

15~は消費が20というように変わる。


レベルはステータスが、10伸びると1上がる。


極振りは現実リアル経験値の消費量が上がる。


強い敵と闘たいから、レベルを上げようと

満遍まんべんなく割り振った。


代わりにエルはこうなった。

_____________


【Name: EL 】


LV: 4【18】

現実リアル経験値:10


HP: (player:Latyとの共有)

MP:1330


STR(力): 5【2150】→45

INT(知力): 5【1130】

DEX(器用): 5【315】

AGI(敏捷): 5【460】

MIN(精神): 5【200】

VIT(頑強): 5【746】

SP(スキルポイント):160

VAR(拡張性): 0【80】


_____________


エルはSTRに極振りしてみた。


レベルの伸びが小さくなった、代わりにぼくの3倍のSTRがある。


今日この後の戦闘に期待だ!


ぼくが、振り終えたステータスを眺めて満足してるとアンドレイは意味ありげに笑っていた。


「いい割り振りをしたじゃあないか、


「はい!バンバン闘います!」


この時、ぼくは応援のメッセージだと受け取っていた。


ぼくがアンドレイの笑顔の理由に気付くのはまだ、少しだけ先の話。


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