明日終章(短編日本語版)

第8話 太湖!太銭城を救うカギ!

豪雨の夜。

揚子江の水はどんどん海に入っていった。ただここを通ると広くなって、風の影響で逆巻いていた。

张文正が裏のビルから出てきた。大停電が始まると、全員が大忙しになった。张文正は緊張をほぐすために揚子江のほとりに向かった。

江の北岸に立って、その向こうが真っ暗で静かな都市を見ている。それは江南岸にあるスーパーシティ、太銭城だ。

十三の都市が合併して誕生したスーパーシティで、人類にも例のないスーパーシティである。

いつもなら対岸の街は明かりがついていて、車の流れも、高層ビルの輪郭さえぼんやりと見えているはずである。

でも一瞬のうちに、停電ですべてが終わった。

張文正は2カ月前、太銭城第7代非常事態委員会秘書長に就任したばかりだ。

非常事態委員会、この組織は二十八年前に設立され、太銭城の防衛部に属し、その役割は太銭城が緊急時に情勢を適時に掌握し、秩序を回復することを保証することである。

しかし、成立した二十八年の間、太銭城には何の緊迫した状況もなく、平穏を保っていた。しかしその平穏は、数時間前の大停電で終わりを告げた。

張文正はため息をついた。

「張秘書長、全城の2万の援助所はすでに開いているが、初歩的な全城を実現するには、まだ6万の援助所を建設しなければならない。もし10万の援助所を目標にすれば、我々が現在運用できる物資は非常に限られている。全国の支援を受けなければならず、私たちの能力ではとても耐えられない」と話した。

今、張文正に報告しているのは林遠樹・資源調達担当者だ。

「まだ明船未来集団と連絡を取っていないのですか?」張文正が尋ねた。

「いいえ、いろいろと連絡が取れませんでした」林遠樹道。

「もういいよ」と張文正さんは手を振った。「これ以上時間を遅らせることはない。これからは自分自身で」

張さんは、「君の提案が通りました。ちょっと待ってから北京側に電話して、状況を報告します。」

臨時のコントロール・ポイントに戻ると、びっしりと詰まったホログラムの窓のページがすべてのスペースを占めていた。人々は忙しくて困っていた。

張文正はすぐに仕事に入り、臨時会を開いた。

「AI天衡は今何を要求しているの?どうやって太銭城の電気供給を再開するのか?」張文正は運維方代表に尋ねた。

「江懐川に会わないと、エネルギー供給が回復しない」運維方代表は言った。

「江……何?」張文正は自分が聞き間違えたと思って、すぐに笑った。

現在の人々にとって、江懐川はすでに亡くなっており、すでに歴史上の人物であった。AI天衡が江懐川に会おうと言ったのは、とんでもない話だ。

「AI天衡のコントロール権を取ったのか?」張文正は軍の連絡者に尋ねた。

「もう8回目の攻撃をしている」と軍の連絡官が帽子のつばを抑えた。「しかし、正面突破には成功しなかった」

「じゃあ、運営スタッフはどうするんですか?」張文正氏、運営メンテナンス側代表に転向。

運営者側の代表も首を横に振った。「AI天衡氏は、人類の未来の持続的な発展を保証する最高の指令を受けていることを明らかにした。今の行動は自衛的な反撃だ」

「バカヤロー!」張文正は「未来の持続的な発展を保証するなんて…八万平方キロメートルの都市よ!全部ストップ!中には2億の市民もいる!」

「そうでなければ市民をまず町から撤退させるのか?今は城中に電気がないので、何も不便です。」しばらくして提案があった

「ええ、私もあなたと同じ意見ですが、都会の人を引き離すと、あとの仕事もやりやすくなりますし、時間とコストはかかりますが、絶対に効率的です」また一人が言った。

「いけません」林遠樹氏は一瞬にして立ち上がった。「疎開市民はコストがかかるだけでなく、一時的には出てこられない。疎開の過程で次生事故が発生した場合、そのリスクは高すぎる」。

「街の大停電の状況で、なければ撤収を実施し、徴用しか地上車を大量にこんなに車かずとも、我々のを见、城の通路を全空から落ちた飛行車、掃除なら、これらの地上に車を通過させ、それの失われた時間は日で計算し、におくまん人は少ない、」救助担当者は、「それにもう二万もの援助所を作って町のいたるところに行っているんだから、一時中断しても救助には役立たない」

張文正は皆の討論を聞き終えた後、目を閉じて怒りを抑えた。

彼は、「2億人の避難は困難な問題であり、時間がかかるだろう。しかし、住民が自主的に避難すれば、これを防ぐことはできない。江北に通じる10の橋をはじめ、他の避難通路は常時開放しなければならないが、立ち入り検査のための監視塔を設置しなければならない。

この場で撤退の議題が終了することを望んでおりますが、AI天衡の統制権と援助所の状況に関心を持っていただきたいと思います。」

会議中の全員がうなずいた。

「軍連絡員、AI天衡のことをもう一度ご紹介してください」おでこに手を添えたまま、張文正が続けた。

「ええ、いま主に攻撃しているのは、AI天衡本体の正面入り口……」

軍の連絡官が状況を説明していると同時に、百数十キロ離れた中心湖(太湖)の大竹島では、兵士たちがこの島の支配権を奪っていた。その島の下には、AI天衡の主機があり、街の鍵となっていた。

ここはすでに自己複製が可能な武装ロボットが占拠されており、島全体の防衛システムはAI天衡に全面的に接収されている。島のエネルギー大砲は上陸している人間の船を次々と打ち込み、そこに密集したスーパーレーザーは空中の飛行機を無差別秒殺する。

島の周囲は霧のようになっているが、これは降雨が視界に影響を及ぼすだけでなく、AI天衡が帯電粒子を放出し、周囲に雷を発生させる確率が高いためでもある。

「兄弟たちよ、前へ!太銭城も後ろの二億人も、俺たちを当てにしてるぞ!」爆雷が鳴った後、指揮官が叫んだ。

これが錬獄所であり、全員が死に向かっている。AIのコントロール権を手に入れ、街の秩序を取り戻すためだ。価値も価値もない意味も、ここではどこにもなく、AIホストの入り口に向かって、皆が押し流されていく。

「空の応援はどうして来なかったんだ!」指揮官は大声で通信員に尋ねた。

「報告!各地の空港からはすでに爆撃機が飛び立っていたが、ほとんどがAI天衡に撃墜されていた。各ミサイル基地は十五分前に過飽和式発射を行ったが、すべてAI天衡に迎撃された。宇宙兵器システムはすでにAI天衡に強制的にダウンされていて、運用できません!」通信員が言った。

「バカヤロー!」指揮官は「これでまた何人死傷するんだ」とののしった。

この飛行機は来てはいけない、ミサイルは来てはいけない、宇宙兵器は来てはいけない、すべての空中からの打撃の方式はすべて消えた。

制空権はなくなったが、AI天衡を取り戻すためのコントロールは続けなければならない。

でももう終わりに近づいている。

AI天衡は高エネルギー帯電粒子流を放出し、周囲20キロの電子機器を麻痺させた。すべての兵士が身につけていたレーザー兵器が爆発し、通信システムが故障し、すべての電子機器搭載機器がショートし、使用不能となった。

空の飛行机がすべて暴走し、目標に向かっていたミサイルが航路を逸れ、上陸した船も働力を失ってしまう……

戦場と指揮地点は完全に断絶した。

近くにありながら遠いAI天衡ホストの入り口を指揮官は見ていた。そのコントロール権を奪うために、すでに2旅団近くの兄弟を失っていた……

皆が尽力し,彼も尽力した。