なにもないからこそ最高な“あるある”

タイトルはちょっと過激な感じですが、実はとある会社員さんのテレワーク生活記です。……なので心配された方もご安心をー、ということで。

内容的には多くのサラリーマンの方が共感することまちがいなしの「あるある」です。リモートワークという“オン”のすぐそばにご家族や生活という“オフ”があって、だからこそ両者が引き起こすズレにちょっと困ったり、ちょっとした思いがけない風景を見たり、それらをきっかけにちょっと思い出すことがあったり。この著者さんの「ちょっと」が、なんでもない記録に確かな滋味を与えているんですよねぇ。例えるなら昆布出汁!

そして味わっているうち、しみじみ思うんです。派手な展開も濃いドラマもない、でも特別なことが「なにもない」毎日はこんなに愛おしいんだって。

パンデミックの影響はまだ色濃いですが、著者さんがそこはかとなく綴ったよしなしごとに倣い、「なにもない」毎日を送れるよう努めて参りましょう。


(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=髙橋 剛)