第15話「あっ、おい! なんだよそれ」
「してもいいって……ハハハ、ちょっとなに言ってるかわからないんだけど」
「なにヘタレみたいなこと言ってんの、ヒロくん」
俺の上に馬乗りになっている
ちょっと待ってくれよ……押し倒してくるって、もうそういうことなのでは? いやいやいや、こいつに限ってそんなことあるわけないよな。
「ねぇ、いいでしょ?」
「だからよくないってば! 降りろ降りろ!」
「やーだ」
こんな時どうすればいいんだ……。
新しい大陸を見つけるのと同じぐらいありえない話だが、もしも友李が本気だったとして、どうすれば傷つけずに済むだろうか。
……やっぱり、こういうのは素直に断るしかないか。
そう思った俺は、深呼吸をして心を落ち着かせてから口を開いた。
「いいか、俺はこういうのは責任が取れるようになってからじゃないとイヤなんだよ。たしかに俺たちぐらいの
全力の主張が伝わったようで、友李はため息をつきながら俺の上をどいた。
「もぉ、いつものイタズラだよ? なにそんな熱く語ってんの、ヒロくん」
彼女は、
だが……気のせいかもしれないが、そう言いながら浮かべた彼女の微笑みは、どこか物悲しそうに見えた。
「あのなあ、あんまり男を勘違いさせるような事すんじゃねえぞ」
「ヒロくんこそ、そんなんだと女の子に便利に使われちゃうよ?」
「ほっとけ……!」
「俺もいろいろあって疲れちゃったから、今日はもうお開きでいいか?」
「うん」
「家まで送るか?」
「いいよ、隣なんだし」
「それもそうだな」
俺は玄関口で確認をしたが、たしかによく考えればこいつの家は隣だった。
うわぁ、なにこのよそよそしい雰囲気……。友李もこの空間が気まずかったのか、
扉を開けて半歩進んだところで、友李はこっちに振り返った。
「あのさ……本当の私の気持ちも、さっきヒロくんが感じた私の気持ちも……勘違いなんかじゃないから! それじゃあね!」
「あっ、おい! なんだよそれ」
俺はどういうことか
「ったく、なんだったんだよ」
まぁいいや。今日はもう寝よう。いろいろ疲れたし。
着替えてすぐにベッドに入った俺は、
……あ、もちろん、エロ本を元の隠し場所に戻してからね!
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