第4話🖥天才ハッカー現る?


 次の日の朝レストランでバイキング形式のご飯を食べて部屋に戻った俺たちのスマホにメッセージが入った。


【おはようございます】

 ━━お気持ちは決まりましたでしょうか?良いお返事だといいのですが━━━


「俺たちやります」

その一言だけを返信した。


 直ぐに既読のマークは確認したが、返信はすぐには届かなかった。


「厚生労働省のホームページに潜り込んで一斉に国民に知らせようと思う」

 静かにヒロトが語り出した、コンピューターのことなら何でもわかっていると豪語するだけのことはある、きっとそんな能力もあるのだろう。


「カッケー!!!ヒロト何か映画みたいやん」

 興奮したタダシの言葉が終わる頃LINEの通知の音が部屋に流れた。


 それぞれスマホを手にとり画面を確認した。


 ━━良いお返事ありがとうございます。今日と明日、短い間ではございますが、よろしくお願いいたします。

 必要なものや資金が必要ならばすぐにお届けしますのでなんなりとお申し付けください。━━━━


「てかさ、このことを俺らに伝えてるのって誰なんだろう、正体不明だよなぁ」

 タダシの言葉に俺は自分の憶測することを話した。


「もちろんこの2020年に生きてるんだと思う、何らかの能力があって俺らを召喚したんだろうな」


「確かに悪意は全く感じないよな、だからこそ僕は協力したいと思った、コンピューターのことなら任せて、1度やってみたかったことだから」


 おいおい!ハッカーヒロト様降臨しちゃったよ。


「伝える方法はヒロトに任せて、タダシには動画に登場してもらって今回の事を国民に知らせて欲しいと思ってる」


「それって顔出しするってこと?それヤバくないか?そりゃヒーローたるもの目立ちたいとはおもうけど、内定取り消しになんかなったら親怒ると思うぞ」


 タダシはテレビ局などの下請けで番組を作る会社に入ることになっている、本当はアナウンサーを目指していたけど全て1次選考で落とされていた、でもテレビ局に近い所に入れると喜んでいたのだ。


「一度聞いて見るか?」


 LINEにメッセージを送った。


 ━━こんな大それたことをして僕らが罰せられることはないか━━


 既読が入ったあとにすぐに返信メッセージが届いた。


 ━━それは安心してください、このことを成し遂げたら英雄となれるとは思いますが、それが困るということでしたら、こちらで処理します、世界を救った3人の勇者がいたということだけが歴史に残ることになります━━━━━━



 世界を救った3人の勇者か……

 そんなことがホントに出来るのだろうか?



 テレビ画面には感染者の数が表示されていた、毎日増え続けているし死亡者の数も万単位だ、日本だけではなくヨーロッパやアメリカ東南アジア感染者がいない国なんて1つもない。

 俺らが覚えているのは夏休みが入る頃にやっと学校が始まっていたしほんの少しだけの夏休みが過ぎて秋になる頃、一旦減っていた感染者の数が再び増え出して人々の命を奪っていったんだ。


「それでさぁ~タケルは何をするんだよ!」


だよなぁそう来るのは当然だよな。

確かに俺は地味キャラだし、いわゆるモブキャラってやつだ、正義感だけは強くて中学生の頃なんて反感をかうことも多かった、だけどイジメとかゴキブリよりも嫌いだったし、許せなかった。


タダシとヒロトに何を言おうかと思ってたら


「でも、タケルの馬鹿が付くほどの正義感の強さは俺らにチカラをくれるもんな、それだけでいいと思うぞ」


「なんだよ馬鹿って!とりあえず俺は裏方をやるさ、モブキャラ上等ってヤツだ」


パソコンに向かっていたヒロトが俺たちの話を聞いて笑ってる


「そこの電脳難民のお2人さん、厚生労働省への侵入が成功しました!」


「てめぇコノヤロー、なんだよ電脳難民って!………ってマジか!」


「そうですが何か?顔と筋肉だけが取り柄のタダシ君」


タダシに羽交い締めされながらヒロトは澄ました顔で笑ってる。


ほらまた始まった、コイツらといるとすぐこれだ、2人のやり取りを聞きながら、俺は作戦の流れを考えていた。


決行するのは今夜だな。

上手くいく自信はないけどやるしかないんだと心に刻んだ。



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