第2話”アベガー”なる存在

 コロナウイルスが世界中に蔓延しているこのご時世。様々な面において不都合が生じていることは間違いない。飲食店は休業し、アミューズメント施設は閉鎖している。感染を抑えるためだ致し方ない処置だろう。俗に言うコラテラルダメージだろう。国家全体が危機的状況に陥るよりも、一部業界に被害が集中することによって全体での被害を軽減するのだ。そう考えれば多くの企業が苦しんでいようとそれよりも多くの企業が助かっている(もちろん目には見えない。被害が出ないという最大の利益を享受していると言うこと)。


 そして個人的には今回のコロナ騒ぎで日本政府、特に安倍首相は多大な活躍をしていると私は考えている。しかし、この世界には、いや、正確には日本国内には安倍首相をことあるごとに批判している組織・派閥・思想の持ち主が数多くいる。そんな彼らの中の言い分の中には的を得ているものも幾つかある。しかし大半が根拠無き陰謀論や、肥大化させた主語による自己中論が多いことにうんざりする。


 主張を書く前に一応明言しておくが私は自民党支持者では無い(こういう注意書きをしておいたとしてもアベガーの目にはおそらく止まらないだろうが…)。


 まず初めに一番有名な”アベノマスク”などと揶揄されたマスク給付である。これにいてアベガーは幾つもの論を用いて批判した。やれ「布マスクには予防効果が無い」やら、「お金をかけすぎだ、お金を必要としている人に給付せよ」と。なるほど。私の持つ知識を持って一つ一つ解説していきたい。ここにソースは一切記載しない。不審に思うのであれば今貴方の目の前にあるスマホないしPC調べて見ることをおすすめする。それが、ネットリテラシーの基本であり、”アベガー”と共に多くの人に足りない力だと私は思っている。


 話が逸れたが、さて1つ目だが「布マスクには予防効果が無い」=「無駄」という理論。これには、一面からの情報が無いとこの結論に至る。では多方面からこの問題を考えると答えは容易に見えてくる。コロナウイルスは一体どこから来るのか?紙マスクは今現在(2020/05/01)容易に手に入れることが可能か?


 ここまで書けば、一部の人は自分の思考で答えに行き着くことでしょう。もちろん後は自分で考えろなんて言って投げ出しませんとも。1つ目の問い。コロナウイルスは一体どこから来るのか?この問いに関する解答は簡単で「感染者の呼気」です。通常の呼吸のみならず、くしゃみ・咳によって飛沫感染して行きます。そして、コロナウイルスの大きさから考えると、市販の紙マスクどころかN95などと言われるより高性能なマスクであっても完全に防ぐことは”不可能”なんです。そもそも紙マスク程度で完全に防げるのであれば、医療に従事する方々が顔をプラスチック製の板で隠したりすることが無いのである。だからといってマスクが不要かと言えばそうでは無い。ここで必要なのは自分が感染しないという視点では無く、感染を拡大させ無いという視点である。


 飛沫によって感染が拡大していくのであれば、”飛沫を飛ばさなければいい”。その観点においてマスクは非常に重要な役割を担っている。せき・くしゃみを一つした場合、飛沫は約3m最大で5mほど近く飛散する。それがマスクを付けていれば30cm~50cmほどに短縮することが可能である。人の多い場所を想像すればこの飛沫飛散距離の短縮がいかなる意味を持つか容易に想像出来ると思う。


 そしてその重要性を満たすためには国民全員にマスクをなんとしても装着してもらいたい。しかし、高性能なマスクは枚数的絶対足りない。だから、日本政府は布マスクによる代用案を考えたわけである。マスク生産の大部分を海外に移転させてしまっており、その最大移転先である中国が中国産マスクの流通に圧力を掛けた故に日本国内にマスクがこなくなった。当初精々月生産1億枚程度しか国内生産できなかった状況にもかかわらず、日本政府主導のマスク工場の支援金、保証金によって現在7億枚程度供給されている。ここで、時折「七倍になったにもかかわらず未だに届かない・高価だなんてアベガ流通量を絞ってお仲間企業がお金を儲けている!」なんて、正気かどうかを疑うレベルの主張をする人がいるが真剣にお引き取り願いたい。


 中学校・高校で習うレベルの社会的知識があればこの社会原理は容易に説明が付く。今までの需要が1だったとしてその価格が1だった。これで需要と供給が釣り合っていた。しかしコロナウイルスの影響で需要が10になれば供給数を例え5倍にしても価格は2になってもおかしくない。もちろんこれはイメージ的なものでもっと詳しく学びたい人は是非に大学進学や独学で経済学を学んでもらいたい。供給を上回る需要があればものの値段は上がる。それだけのことである。


 給付金の話しはまた今度にしたい(書くとは言ってない)。ここまでマスクについて書いたのだ。最後までマスク一本で書かせてもらおう。


 数週間前からようやく布マスクの供給が始まった。これに関するお金の流れは十分注目に値する話しだと私は考える。なんて言ったって466億円。気になるに決まっている。そして、国民の”半数”に配るマスクの購入金額が約90億円に収まったと言うことを管官房長官がいった。さてここでおつむの足りない”アベガー”は残りの376億円をアベガ横領した!なんて言って騒ぎ立てた。は?国民の半数です。つまり使用している予算は現在のところ233億円。そのうちの90億円つまりマスク購入以外の予算残高は143億円。これは?横領したというのでしょうか?一体そのマスクはどうやって貴方の家に届けられるのでしょうかね?って話になる。”輸送費”そして90億円は購入代金としてしか明言されておらず、マスクに同封されているチラシ代やマスクとチラシを同封する作業等に資金がかかっているのかすら不明なのである。にもかかわらず横領だ!などと騒ぐのはちょっとばかり思慮が足りない。


 ちなみに布マスクは無駄だ!と騒ぐ人はよくその資金も給付せよ的なことを言う。466億を1億2000万人で割ると?かなり大雑把だが国民一人当たり約400円。海苔弁当でも買うのだろうかw「海苔弁当への熱い風評被害」


 さいごにマスクが汚れていたやもともと大量に保管されていたもので製作代は横領された的な話しもたまに聞く。これについては日本政府にいちゃもんを付けるのはお門違いも甚だしい。日本政府は企業に対し「これだけのお金を渡すからどれだけ出せるか」といった感じに企業に尋ね、企業は「これだけ納めることができます」といった具合に契約しているわけである。つまり、契約しただけで後は材料調達から納品までは受注企業が責任を持つべき案件なのである。たしか毎日新聞かどこかがカビの生えたマスクについて報道し、多くの国民からマスクの汚れや髪の毛の混入と行ったクレームが寄せられ、現在マスク給付は滞っている。急な依頼で検品がおろそかになったなど様々な要因が考えられる。不良品はもちろん許されるべきものである。企業は今後このようなことが無いようにしてもらいたい。しかし、ここで日本政府や受注企業、中国はズブズブな関係だ!などと飛躍するのは考え物だ。そもそも伊藤忠商事に限って言えば2019年度の売り上げは11兆6,005億円である。2018年度から急激に売り上げを上げている。にもかかわらずわざわざ、汚職というリスクを冒すだろうか?


 アベガーがそういった妄想をこねくり回すのであれば、私にも考えがある。おそらく不良品が報告されたマスクが届けられた家に住んでいるのはアベガーどもで、奴らの自作自演に過ぎないと。


 給付金は書きたくなったら書く。最後まで読んでくださった奇特な方がおられましたら最大限の感謝を。

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