第3話 新しい環境

那津と会うこともなく夏休みが終わり、学校が始まる。

始業式で僕は転校生として全校生徒に紹介された。


始業式が終わり、「2の2」と書いた教室に案内される。

窓際の一番後ろの席が僕の場所となった。


教室を見渡しても那津はいない。


(この学校は全学年2組ずつだから・・・2の1なのか?)


同じクラスじゃないことに僕は少し不安になった。


休み時間になると、転校生が物珍しいのか何人かが僕の周りに集まった。


「宙ってどっからきたの?」

「サッカー好き?」

「なんで引っ越してきたのー?」


僕は島根からきて、サッカーは3歳からやってて、親の仕事の都合で引っ越してきて・・・

怒涛の質問に全部答えた。


「てかさ!羽水うすいんちの隣に引っ越してきたんでしょ!?」

「羽水・・・?」

「羽水那津!!」


僕は那津の苗字が羽水だと知った。


「うん。隣の家に越してきた。」


そう言うとみんなして笑い始めた。

僕にはその理由がわからなかった。


「そんな面白い子なの?」


僕の問いにみんなが口を揃えて「心の木〜」と騒いだ。


僕は、心の木がなんなのか分からず、

その後も心の木について誰にも聞けずにモヤモヤしたまま家に帰った。


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