第2話 出会い

小学5年生の夏休み、古いマンションから新築の一軒家へ引っ越した。


新しい家に着くと、すぐに僕と母と父と弟で隣の家に挨拶に向かった。

インターホンを押すと玄関のドアがあき、お母さんと女の子が出てきた。


「すみません!今日から隣の家に越してきた睦月むつきです!」


母が僕の頭に手を置き、全員で頭を少し下げる。


「ああ!今日からですか!仲良くしてくださいね。」


そう言うと、おばちゃんは女の子を僕と同い年の那津なつだと紹介した。


那津は親同士のお喋りの間、ずっと真顔で僕を見た。

女子に見つめられたことなんてないから、僕は恥ずかしくて目を逸らす。


僕が自分におかしなとこがあるか考えてる間に親同士の挨拶は終わっていて、

帰ろうとした僕におばちゃんが少し悲しげに声をかけてきた。


そらくん、那津と仲良くしてね。」


僕は少し会釈をしてちらっと那津を見た。

那津は下手くそに微笑んで手を振ってきたけど、僕は恥ずかしくて無視をした。



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