強襲、バッファロー怪人【ミノタウロス】!
どうやら【ミノタウロス】というバッファロー怪人は、コウガを探しているらしい。
「そんなヤツ、こんな村にいるかよ!」
冒険者が複数名、罵声を浴びせて怪人に飛びかかった。
「死ね、化物が!」
屈強な冒険者が、バッファロー怪人のノドに剣を振るう。
バギン、という金属音を立て、剣はあっさりと折れてしまった。
「この程度の攻撃で、我が筋肉を貫けると思ったか!」
バッファロー怪人が、冒険者の服を掴む。そのまま民家へ投げ飛ばした。
かつて同じ目に遭った警備員の光景が、リュートの頭をよぎる。
「このお!」
魔法使いの少女が、杖からファイアーボールを放った。怪人の胸板に次々と叩き込む。
だが、バッファロー怪人にはまるでダメージが通らない。
「抵抗しても無駄だ! 死にたくなければコウガを連れてくるのだ!」
怪人が棍棒で、魔法使いをアッパーで殴り飛ばす。
バリアを張ってかろうじて致命傷は避けたようだが、女冒険者は空高く飛ばされてしまう。
「ひ、ひぎい!」
再度バリアを張ろうとしているようだが、限界を迎えたらしい。
このままでは、地面へ激突してしまう。
『トゥア!』
コデロの意識を乗っ取ったリュートが、落ちてきた冒険者を抱きかかえる。
「す、すまん!」
『村人を連れて逃げるんだ!』
冒険者を降ろし、コデロは怪人の前に立つ。
『オレは、逃げも隠れもせん! 相手になってやる!』
体調は万全だ。全力で立ちむかう。
右拳を上段に構え、コデロは変身の姿勢を取った。開いた右の手の平を腰の左辺りに当て、右方向へと撫でていく。
『変身!』
かけ声と共に、コデロは右手を高々と上げた。ベルトの宝玉から順に、コウガの赤い装甲が全身に広がっていく。
最後に赤いフルフェイスの仮面が、コデロの顔全体を覆う。
両目は碧眼だ。
コウガに変身した直後、戦闘員が剣で斬りかかった。
対するコウガは、拳で殴り飛ばす。
パンチ一発で、戦闘員は地面へ転がり、爆発する。
「素手で化物を退治したってウワサは、本当だったんだな!」
銃で戦闘員を撃ち抜きながら、ダニーが感心していた。
「現れたなコウガ! 我が棍棒の餌食になるがいい!」
怪人が、棍棒を振り回す。
『すまんコデロ、少しばかり耐えてくれ。ぬん!』
かわそうと思えば、かわせる。
だが、コウガはあえて避けない。
両腕をクロスさせ、真正面から受け止めた。
目的は、自分の力量を試すこと。もし、この程度の相手に手こずるようなら、イノシシ怪人との再戦でも勝てない。
『思った通りだ。コウガの装甲は、痛みを肩代わりする』
コデロにダメージが通るのか、確認も必要だった。
リュートがダメージを肩代わりできるなら、もうコデロに遠慮しなくてもいいと。
が、まさかダメージゼロとは。
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