第7話 お家でデート
俺は有頂天になっていた。もう、宇宙の果てを突き破るくらいの勢いだった
斯波が今日の水曜日の秘密の日に抱いて欲しいという話は京子姉が解決してくれた
昨日、スマホを握り締めて京子姉からの返信を待っていたが
かなり時間が空いて電話があった。既に深夜の12時近くだった
京子姉はたくさんの事を解決してくれた
「聡、喜べ、まゆみちゃんは売春してないわよ」
「ええー、だって、俺、渋谷で......」
「その時が初めての売春トライだったそうよ」
「えっ?
じゃ?」
「あなたがまゆみちゃんの間違いを食い止めたのよ。あんたどんなけ持ってるの」
「でも、何故、斯波は俺とその、あんな事をしようなんてしたんだろう?」
「まゆみちゃんはせめてあなたに抱いて欲しかったそうよ。多分、あの子経験ないわね
せめてあなたに初めての経験をさせてもらって娼婦になろうと思ったみたいよ」
「そ、そんな、じゃ」
「あなたが我慢できたから、まゆみちゃんは道を外さずにいられたのよ
このー、聡、お前いつからそんないい男になったんだ
私も欲しいぞ、聡みたいないい男」
「京子姉、からかっている場合じゃ無くて、それ根本的な問題解決が......」
「それは彼女と彼女の母親とじっくり話あった。お母さん泣いてたわ」
「京子姉、そこまでしてくれたんだ」
「可愛い従兄弟の為だし、可愛いファンの為だ。本当、まゆみちゃん可愛いわね」
「京子姉、ありがとう」
「それでね、まゆみちゃんには私の家でアルバイトしてもらう事になったから」
「えええええ、なんで?」
「彼女のコンビニのバイト代より、少し多めにお給金出せるわよ
ただし、高校を卒業するまで」
俺は何となく察した、京子姉は本当はアルバイトなんていらないのだろう、俺と斯波の為に
「ありがとう、京子姉」
「まあ、そんな訳で、水曜日以外、彼女忙しいから、毎週の水曜日、たっぷり彼女と青春を謳歌しなさい」
「う、うん」
こうして俺たちの秘密の水曜日は普通のデートになった
もう、俺たち両思いだし、クラスメイトも既に俺たちの関係を察している
それで、俺は今日、斯波と放課後、一緒に俺の家でお家デートをしようとしていた
一緒に下校、そして家でデート、やましい事なんてしないぞ
そもそも、今日はお母さんが急に、会社お休みになったんだ
変な事したら、俺が母さんに怒られる。多分、京子姉の差し金だな
☆☆☆
こうして待ちにまった放課後がやってきた
「まゆみ、一緒に帰ろ」
「うん」
「「「「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと」」」
クラスの何人かが、みんな突っ込む
「お前ら、一緒に帰るの?
ていうか、もしかして付き合ってるの?」
斯波が恥ずかしそうに俺を見る
「そだよー」
「「「「えええええええええ」」」」
「高野に負けた」
「まゆみちゃんに負けた」
俺の友達と斯波の友達がそれぞれ、敗北宣言をした
「まあ、そういう訳だから」
そういうと俺は斯波とクラスを後にした
「帰ろー、まゆみ」
俺はさり気なく斯波の下名前で読んだ。本当はドキドキしたけど。すごい嬉しい
「うん、聡君」
斯波、いや、まゆみも俺の事を下の名前で読んでくれた
こうして俺たちは下校した。途中、斯波は京子姉への感謝をずーと綴った
俺も京子姉に大感謝だった。二人で京子姉を称えた
そして、俺の家につくと、お母さんにまゆみを紹介した
お母さんはたいそろこんだ。何せよ、俺が初めてガールフレンドを連れて来たんだ
お母さんはお茶とか、お菓子とかいっぱい出してくれた
ちょっと、お母さん、邪魔なんだけどなーなんて思っていた位だ
斯波はいつものラノベの話の他、俺の家庭用ゲーム機にはまった様だ
二人で、対戦ゲームを何度もした
俺の方がかなりやり込んでいるので、斯波は何度も負けるのだが、何度も挑戦してきた
「もー、聡には勝てないなー。たまには負けてよー」
「いや、それはスポーツマンシップに反する。全力を尽くすのが礼儀だ」
「そんな礼儀いらない。そうだ、ハンデ頂戴」
こうして、俺は物凄いハンデで対戦ゲームをする事になった
「ちょっと、これ、ずるいんじゃないか?
これ、ちょっと、ハンデありすぎ」
「何よ、さんざん勝ったんだから、いいじゃないの」
「聡君ボコボコにするの凄い快感」
「俺は、超ムカつく」
「さっきまで、さんざん私をボコボコにしたくせに」
「それはごめん」
「はは」
「ははは」
俺たちは幸せの絶頂だった。次の水曜日までは
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