第6話 京子先生頑張る
俺は焦った。ファーストキスの余韻に浸る時間は十分になかった。斯波は明日の秘密の時間に抱いてくれと言った
バレたらしかった。俺が変態であるという設定が
俺は悩んだ。だが、どうしていいかわからなかった。俺と斯波は両想いだっだ。でも、身体の関係は早過ぎる。例え、斯波が売春をしていて、斯波にとってなんでもない事だったとしも、いけない気がした
俺は京子姉を頼る事にした。京子姉にメールを送る。助けてと書いた。返信を待つ。既読になると直ぐに返信が来た。直ぐに両親のいないところから電話しろという連絡が来た
俺はちょっと出かけて来ると言って、家を出て京子姉に電話をかけた
「京子姉、お願い。助けて」
京子姉は俺の相談内容を察した様だ
「まゆみちゃんの事?」
「うん」
「何かしでかしたの」
「違うんだ......」
俺は事の顛末を話した。斯波の売春の事も話した。俺は京子姉を凄く信頼していた。悪い様にはしない筈。それに、いいアドバイスが得られると思った
俺の話しを聞くと京子姉は
「わかったわ。ちょっと、時間をちょうだい、しばらくしたら、連絡する」
そう言って、一旦電話を、切った
✩.*˚
私は有頂天だった。高野君と両想い。それがわかって、もう、気持ちは宇宙まで行っていた
だが、しばらくして、私は気がついた
明日、高野君に抱かれたら、私は娼婦になるのか?
そんな事は高野君への裏切りになるのではないか?
高野君は私が売春してると思っている。それなのに、私の事を好きだと言ってくれた
抱いてもいいと言っても抱かない。彼は誠実な人だ
京子先生が言った様な貞操観念がしっかりしてるんだ
『神様、あなたはどうしてこんなに意地悪なんですか?』
『こんなに素敵な人と出会わせてくれるのに、どうして人並みの家庭を私に与えてくれないのですか?』
『でも、私が稼がなければ、私の家はどうなるのですか?』
「私って馬鹿......
所詮、私と高野君なんて身分違い
明日、高野君に抱いてもらおう、そして娼婦になろう
そして高野君とは別れを告げよう。私は彼に相応しくない」
私は泣いた。神様を半分呪い、半分感謝した
高野君と両思だった事への感謝、そして自分が高野君に相応しく無い事への恨み
私は延々と泣いた。そして、そんな時に京子先生からメールが入った
驚いた。アドレス交換はしたが、まさか連絡をくれるとは思わなかった。
メールには、直ぐに電話しますとあった
私は慌てた。しかし、電話は容赦なくかかってきた
「まゆみさん?」
「はい、京子先生ですか?」
「そう。ちょっとね。聡とあなたの事が放っておけなくてね
単刀直入に、言うわ。あなた本当に売春してるの?」
私は頭が真っ白になった。しどろもどろに答えた。だが、概ね真実は伝えた。私が未だ売春未遂な事、高野君に抱かれたら、売春しようと思っている事。家が、貧乏な事
京子先生は激しく怒った
「駄目よ。最初はいいかもしれない。でも、気がついたら、堕ちるところまで堕ちるわよ
何より、聡と付き合うなら私が許しません」
私は、泣いた。そして、私は先生に聞いた
「じゃ、私、どうやって生きていけばいいんですか?
私、毎日ご飯食べれないです。お母さんはもっと食べてない」
私は泣きじゃくった
「先生はご飯が毎日食べれる事当たり前ですか?
私の家では当たり前の事じゃないです」
先生は今すぐそっちに行くからと言って、住所を聞いた。私は教えた。うちの貧乏を実際に見たら先生だってわかる。あんな綺麗な家に住んでいる人には私の気持ちなんでわかんないんだ。例え京子先生でも
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