第4話 彼女との楽しい学園生活

俺と斯波は秘密の関係になってから、学校でも親密になっていった。


俺と斯波は趣味があった。斯波はポケットジョークだけでなくラノベも好きだった。ジャンルはもちろん違うのだけど、俺は彼女の好きなラノベを読んでいた。俺が読者好きになったのは歳が少し離れた従姉妹が原因だ。彼女はなんとラノベの作者なのだ


それで従姉妹の家に遊びに行っているうちにラノベのファンにされた。何しろ従姉妹の家にはびっくりする位のラノベの蔵書があった。研究用らしいが、従姉妹が読むのも大好きな様だ


従姉妹はたくさん良書をおすすめしてくれた。大半が女子用なのだが、確かに面白かった


そんな理由で俺は女子向けラノベにも精通していた


「でね。これからの展開がファンの間でも話題になってるの。ヒロインはラインハルトとレオンのどちらを選ぶか?なのよ」


斯波は自分が今ご執心のラノベの見解を熱く語っていた。斯波がラノベの事を語っている姿はとても可愛いかった。まるで、自分の事の様に作中のヒロインに傾倒する姿が本当に可愛いかった。まあ、惚れた弱みなのかもしれないが。ぶっちゃけ、俺は斯波が何しても、何言っても可愛いと思えた


「あれ、この後、ヒロイン、ラインハルトに恋するんじゃなかったっけ?」


「なんでわかるの?


 この作品、次巻、未だ発売されて無いよ。なんでわかるの?」


あれ?


そうだっけ?


「この間、続き読んだ様な気がするんだけど」


「そんな筈ないじゃん。勘違いじゃない?」


『んん』


俺はちょっと思案した。そして気がついた。自分の失態を


「ごめんね。斯波、今の忘れて」


「いや、忘れられない。怪しい。それ、怪しい人の言動よ。白状して、何かあるんでしょ」


俺は困った。俺はこのラノベの先を知ってる。このラノベ、作者が従姉妹なんだ。俺は先週従姉妹のところで、未だ未発売のラノベのサンプル品を読ませてもらっていた。従姉妹はいつも、俺にサンプル品を読ませて、感想を聞くのだ


「いや、絶対勘違いなんだ。ごめん、ごめん」


「怪し過ぎる。確か、高野の従姉妹ってラノベの作者よね。誰なの?」


斯波は鋭かった。


 俺は従姉妹のペンネームを伝えた


 斯波は目をこれでもかという位キラキラさせていた


 ああ、そんな綺麗な目で俺を見ないで


「ねえ、その従姉妹さん。いや、長谷川京子様に会わせて」


俺は困った。多分、従姉妹はいい顔をしないだろう。しかし


 あー、斯波の期待に満ちた顔は可愛い過ぎた


 俺は確たる自信もなく、


「わかったよ。会わせてあげるよ」


「やった〜」


斯波が大騒ぎする


あー、斯波ってこんなに可愛いかったんだ


俺は斯波の可愛いさに負けて従姉妹に無理なお願いをするはめになった。自業自得だけど。斯波が悪いと思った。斯波が可愛い過ぎるから


気がつくと、周りに人垣が出来ていた


「「「「お前ら、いつからそんなに仲良くなったんだ?」」」」


俺は狼狽えた。そして、斯波は顔を真っ赤にしていた。


斯波が可愛い過ぎる。俺は大声で叫びたい衝動をなんとか自制した

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