第20話
萌ちゃんが亡くなった?
施設であんなに元気にしていたのに。。
包帯で巻かれている体を無理矢理起こそうとした琴美を、2人は必死に止めた。
「今は動いちゃ駄目。酷い火傷を負っているのよ!だから今は冷静になって!」
陽子は叫んだ。
「彼は友似先生の事も知っていた。あなた達も何かあるかもしれないのよ」
「わかっているよ。先生宅には警備を付かせる事にしている。お前は自分の体を早く治す事だけ考えるんだ」
健二も険しい顔で答えた。
「そういう事だから私達は大丈夫よ」
健二が病院から聞いた話では、1か月ほどすれば包帯が取れて、後はリハビリ次第だという事だった。
陽子は彼女の頭を軽く撫でると
「琴美、しばらく治療院は出来そうにないから時間があれば会いにくるわ。
あなたの事だから友似に聞きたい事もあるんでしょ?
落ち着いたら彼も連れてくるから」
健二に聞こえないようにそっと耳元で囁いた。
2人の言葉を聞いて少し安心したのか、琴美は返事をしながら深い眠りに落ちた。
俺はあの女の旦那でもなければ子供の父親でもない。
だか老舗料理は手に入れる。
どういう意味なの?
あなたは稲尾じゃないの?
また会いに来るから待っててね。
萌ちゃん、誰に連れて行かれたの?
誰があなたを苦しめたの?
お姉ちゃん約束守れなかったよ。。
それからしばらくの間ずっと同じ様な夢を見ては心拍数が高くなり、看護師さんが側にいる事が続いた。
先生曰く、今までの体験から来る精神的なものだという事らしい。
早く元気にならなければ。
このままじっとしている訳にはいかない。
気持ちだけが急ぐのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます