他山の石

でもね、


『現実を見る』


ことと、


『フィクションをフィクションとして楽しむ』


ことは、決して相反することじゃないと私は思ってる。むしろ現実を見られるからこそ、フィクションを素直に楽しめるんじゃないかって思うんだ。


だってそうじゃん?


『フィクションは現実とは違う』


っていう現実と直面できれば、フィクションの<嘘>をいちいち気にする必要もなくなるしさ。


『現実と違ってて当然。だってそれはフィクションだから』


って思えるじゃん。


そして、


『作られるフィクションが全て自分の好みに合わせて作られるわけじゃない』


っていう現実と向き合えてれば、いちいち自分の好みに合わないフィクションが作られてることにキレる必要ないし。


私は自分の子供にはそれができるようになってもらってるよ? フィクションはフィクションとして現実とは切り離して楽しんでるし、自分の好みに合わない作品だと思えばもうその時点で見ない。


下の子はまだ小学生だけど、できてるよ?


もしそれができないって言うのなら、どうしてできないの?


誰かが教えてくれなかったから?


じゃあ、その<教えてくれなかった誰か>は、誰?


普通に考えたら<親>だよね?


『親は昔はアニメとか見てなかったから、分かるわけないだろ!』


とか言うかもしれないけど、今、七十代になってる<団塊の世代>でさえ、映画を見たりテレビでドラマを見たりして、日常的にフィクションと触れてきてるのに、その理屈は通じないよね。


しかも、もう、物心付いた時から普通にテレビでアニメがやってた世代だってすでに五十代のはずだよ? 普通に成人してる子供がいておかしくない年代だから、今の十代二十代、場合によっては三十代の人らの親だったりするじゃん?


それでどうして、自分の子供に、


『フィクションと現実は違う』


って教えられないの?


とか、こういう言い方をすると、


『馬鹿にしてんのか!?』


みたいにキレる人がいるんだけど、単純に疑問なだけだよ。


『どうして教えられないの?』


ってさ。


そして、親が教えなかったから子供が他人様に迷惑掛けてるんだけど、それについてはどう思ってんのかな? って思うのよ。


<批判>と<侮辱>の区別も付けられないのが好き勝手やってることとかについてさ。


しかも中には大きな事件さえ起こしたのもいる。


テレビ番組の内容を真に受けて他人を死ぬまで追い詰めたのもいる。


実際に人の命が失われてんのよ? どうしてそれを真剣に考えられないの?


『自分には関係ない』


ってことかな?


まさかいい歳をした大人が<他山の石>って言葉も知らないとは思いたくないんだけどね。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る