突っ込みどころしかない!

<子育てモノ>と言われるような作品は、それこそ<光源氏のアレ>を筆頭に数限りなくあるんだけど、正直、実際に子供を育てた経験のある人間の視点で見ると突っ込みどころ満載、と言うか『突っ込みどころしかない!』作品も数限りなくあるんだけど、そこはそれ、<フィクション>だから。フィクションだってことをわきまえてないとさ。


世の中には、フィクションと現実をわきまえてない人が多い。だからフィクションに対して野暮の塊みたいな難癖を付けたりもする。大事なのはフィクションと現実は別物だということをわきまえることなのに、


『キャラクターの言動が許せない!!』


『そんな漫画やアニメや小説があるから差別や犯罪が助長される!!』


とか言って、創作物に責任を擦り付けたりもする。


ホント、野暮の極みだ。


だけど、そういうことを言う人達自身が、フィクションと現実の区別がついてないわけで、これは、翻って考えると、


『そういう難癖を付ける人達の一部が主張する、『フィクションの影響を受ける人間がいる』という懸念が実は的を射ている』


ということを、


『フィクションと現実をわきまえずに難癖を付ける人達が存在する』


という事実が証明しちゃってるんだよねえ。


悲しいことに。


だからまあ、野暮な話だとは感じつつも、そういう意見そのものが存在すること自体は仕方ないのかなとは思ったりもする。フィクション内での喫煙とか性表現に対するクレームとかも含めてさ。


となれば、私達、子を持つ親が、


『フィクションは現実じゃない。フィクションと現実とは違うものだということを子供にちゃんと教える』


ことが重要なんだなって思うんだ。


私は、漫画やアニメが好きだ。だから自分の子供に対して、


『漫画やアニメに夢中になることは許さない!』


とは、とても言えないし言っちゃいけないと思ってる。


でも同時に、だからこそフィクションとの付き合い方を教えてあげるのも親としての務めだと思うんだよね。


その甲斐あってか、私の子供達はそこをわきまえてくれてると思う。


フィクションでやってたことを真に受けて真似したりしないし、同時に、フィクションに対して野暮な難癖を付けたりすることもない。


フィクションのキャラの言動についてマジ切れして、ネット上に罵詈雑言を垂れ流したりもしない。


それを教えるのは親の役目であって、フィクションに難癖付けても駄目なんだと、フィクションを生み出す側でありつつ人の子の親でもある立場だからこそものすごく実感するよ。


だから、そういうものの見方を子供に伝えようとしてない<子育てモノ>を見ると、すっごく残念な気分になる。


なるんだけど、同時に、直に難癖を付けようとは思わない。


だってフィクションだし。現実じゃないし。


親がそこをわきまえてないと駄目だよね。


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