太宰治の文体模写

ブログネタ:好きな人いる?



 好きな人がいるかって?ああ年中惚れたはれたの色恋沙汰が人間の性だね。哀しい性だ。

 でもそれがないと生きがいがないから年中惚れたはれたで下らない騒動を繰り返しているのが人間の愚かな実体さ。

 私にも好きな人はいる。道で毎朝すれ違う人にだって人間だから恋はするよ。


それが哀しい性だっていうんだ。灰になるまで男と女、なんていうけど四谷怪談みたいに死んでからも男と女の色恋沙汰は続くんだからね、おお怖い怖い。


 色恋沙汰なんてえものはこの迷惑なぶらさがっているものを截り取ってしまえば卒業できる女大学だけど笑そこのところで匹夫凡夫はやはり自分から何かが派生してほしいとか、美しい、豊かな家庭を築きたいとか儚い夢・・・本当につつましやかで儚い夢を捨てきれないから、こんな不細工なものをぶらさげて、ああ俺は立派な男でござい、といばってなきゃならない。


 ああ、反吐が出そうなほどきたならしい。


 本当にねえ、そこらへんでガチャガチャ言っているクツワムシに生まれていたほうがよほど清らかに生を全うできたんじゃないかと思うね。人間は汚れるように出来ている。


それで汚いんだ。未来永劫同じことさ。



(2013.7.25)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る