フロイトの自由連想法
精神分析というものについてすら?語れる蘊蓄は少ないのですが(後は以て推すべし)フロイトの「夢判断」を少し読みかじっていて、あと、岸田秀さんや筒井康隆さんの著書も参考にしたら、精神分析の方法論というものが朧に浮かび上がってくる感じがする。
例えば夢で「蜂蜜を買う」というエピソードがあった場合、蜂蜜から連想するものを考えるというと、「ハニー」⇒「スイートハート」⇒優しい心 となって、職場の同僚の女性たちがが街にバレンタインのチョコを買いに行く・・・そうしたことを連想しているのが分かるわけですね?これは有名な?端的な事例ですが、フロイト的に解釈するとこの夢の中に性的な欲望もインボルブされているのだろうが、夢の象徴というのはそういうふうに一見受け入れやすい綺麗なイメージに置き換えられていることが多いのだろうか・・・
エディプスコンプレックスという用語は母親に対する性的な葛藤のことで、誰にでも多かれ少なかれある現象を普遍化したものだろうが、一般に人文科学的な理論というものは自然科学とは違って、自分にとって個人的な物語の中の、つまり人生史の個別的な部分を特に普遍化したような、哲学でもなんでもそういう趣があってフロイトの場合は、お母さんがすごく若くて綺麗で、お父さんが厳父であって、というそういう自分の家庭の図式を敷衍しているだけ、とそういう見方もできる。
個人の知性というのはアリストテレスでもゲーテでも高が知れていて、やはり、集団的というか集合的というか多くの人びとの精神の累積による知の体系みたいなものを凌駕することはできない気がする・・・
例えば、神話における生命の起源の逸話が過去の偉大な知性に立ち勝っている、真実を述べている・・・そういうような意味で・・・
集合的な知性の直観が個人のそれよりも深遠な認識力を有しているというのは寧ろ当然のことのようで、個人の考えることというのは、すべからく現実のグロテスクなコラージュ、コンプレックスの表現みたいになって、その典型がフロイトの精神分析、そういうような不遜な考えも浮かぶのです・・・
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