第38話王都4
チュン、チュン!
外から小鳥がさえずる音がする。
「なるほど、これが朝チュンか。」
俺自身馬鹿なことを言ってるなと自覚しながら、隣で産まれたままの姿で寝ているルアを見た。
王都に来た日から一週間が経っていた。2日目の朝は大変だった。俺が目を覚ますとルアがおれの頬にキスしていた。朝から素晴らしかった。俺が起きて目を合わせると、すごく真っ赤になっていた。とても可愛い姿でした。
その日は1日ぎこちなかったな。ルアもぼーとしていたり、俺の方を見ては赤くなったり。ルアが歩きづらいということで一日中宿にいた。ゆったりと会話する機会がなかったので、とても有意義な時間だった。
そこから毎晩のようにヤっている。ここまで来るとお互いの顔を見ても恥ずかしがることは無い。ルアはシている最中は変身魔法を解いて羽を出している。
そんなことを思い出していると…
「んっ…。おはよう…タイチ。」
ルアが目を覚ましたようだ。
「おはよう、ルア」
朝のキスを済ましてから俺たちは服を着て宿を出た。
今日はガルのじいさんから武器ができたから取りに来いと言われていた。
ガルのじいさんのところに行く前に俺たちは冒険者ギルドに向かった。
実は冒険者登録したのは魔石の買い取りと、身分証が欲しかったという理由だけだったりする。だからあまり依頼を受けるつもりは無い。
残りの金貨50枚を今日受け取るつもりだ。前の金貨50枚は全て使ってしまった。色んなことがあったのでかなりのお金を使ってしまった。余った残りの金貨で食糧を大量に買い込んだ。俺の亜空間収納なら腐ることがないからな。だから、もう金がない。
「おはようございます。お久しぶりですね。タイチさん、ルアさん」
冒険者ギルドの扉を開けるとエフィーが出迎えてくれた。
「久しぶりと言っても1週間ぶりだがな。」
「久しぶり!エフィーさん!」
挨拶を交わしたあとは目的の金貨50枚を受け取った。
「これで全部ですね。今日は依頼を受けては行かないのですね?」
「そうだな。明日には受けるつもりでいるが。」
実はこの一週間で暇つぶしに何回か依頼を受けていた。…スライムやゴブリンの討伐など、比較的簡単な依頼ばかりだが。その時はエフィーが担当ではなかった。だから、エフィーと会うのは1週間ぶりなんだ。
「分かりました。それではまたのお越しをお待ちしております。」
「じゃあねー!」
ルアとエフィーの会話が終わったら俺たちはすぐに冒険者ギルドを出て、ガルのじいさんの店に向かう。
「よう、来たぜ。ガルのじいさん」
「来たか。出来てるぜ!」
「そうか、それは良かった。楽しみだよ、どんな武器なのか。」
「ついてこい」
笑いながらそう言うじいさんの後ろを1週間前と同じようについて行った。
「まずは嬢ちゃんに。注文してた細剣だよ。」
「うっわーっ!!ありがとう!想像してた通りのものだよ!」
ルアが頼んだのは細剣のみ。魔法を主体として使うから、あまり装備は必要ない。
かなり軽いのに、素材がアダマンタイトなだけにとても硬い。これなら負担にならないだろう。細剣を携えていると、女騎士にしか見えない。めっちゃ可愛いけど。
「それで次が兄ちゃんだな。なかなかに大変だったぜ?どれも作ったことがなかったからな!」
「おぉ!想像通りのものだ!流石だな!」
俺が注文したのは2つ。
1つ目は日本刀。クサナギとは別にもう1本欲しかったのだ。今の俺の筋力なら二刀流だって簡単だと思う。だから、この際二刀流を目指そうと思ったのだ。
2つ目は鎖。じいさんには悪いと思ったが、15メートルぐらいの鎖を6本も作ってもらった。もちろん素材はアダマンタイト。鎖の端は刃上になっている。俺の空間操作との相性も考えた結果、鎖を作ってもらおうと思ったのだ。まだ実際に空間操作と併用してないから、上手く使えるか分からないが。
「よくこれだけのものを1週間で作れたな。」
「まぁな。かなり珍しい鉱石ばかりで捗ったわ!おかげでゆっくりと休むことは出来なかったけどな。」
「悪いな。金は置いていくよ。ゆっくりとやすんでくれ。俺たちは行くよ。」
「そうするよ。あぁ、それと嬢ちゃんの細剣はメルカローズ、刀はシロガネと名付けた。お主たちを想像してな。」
「「気に入った」」
俺は予備として剣をいくつか買うことにした。これからダンジョンに挑むなら不測の事態には備えなければ。
俺たちは装備を携えたまま店を出た。鎖に関しては亜空間収納している。
さてと、これで準備は整った。そろそろ動くとするか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます