幸福を求める私たちよ

 辛いときこそあえてポジティブなことを考えよう。昨日よりも今日は天気がいい。


 涼しい風が吹いて、私の中のいら立ちを外へとすっと追い出してくれる。


 今日は朝からコーヒーを飲める時間があった。


 いつからだろうか、小さな幸せを見つけられなくなったのは、いや、探すのを放棄


するようになったのは。


 小さい頃は今よりも純粋で、幸せもたくさんみつけられたのに。


 無数の砂粒の中から輝く宝石をみつけられたあの頃は幸せに満ちていた。


 いつからか私は幸せを探すことをやめ、幸せを求めるようになってしまった。


 自分に幸福が不足していると嘆き、誰かから幸せを恵んでもらおうとしてばかり


している自分は子供よりも幼稚な存在に堕ちてしまった。


 砂漠の真ん中でただ一人嘆いても、のどの渇きは潤せない。自分の足で動き出して


水を求めたり、助けてくれる人を探し出したりするしかないのだ。


 幸せは自分で探し出すしかないのだ。


 いつまでも自分だけに救いの手を差し伸べてくれる女神を待っているようでは


幸せになんかなれやしない。


 不幸という名の底なし沼にはまり続けるな。


 目を覚ませ、愚かな私よ。


 

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