とりあえず正義から逃げちゃおう 

 誹謗中傷をして反省や悪気を感じない人は「自分は悪いことをしていない」「事実を言うことの何が悪い」「これは表現の自由だ。受け取り方は相手次第だ」など、それぞれの考えを持っていて、それを曲げようとはしない。

 そして誰かが誹謗中傷などに意見して、さっきの例えみたいなことを主張したとき、自分の考えや正義が当てはまらないと「こいつは何もわかっていないな」とほくそ笑むかもしれない。自分の行いが理解されないことに快感を感じ、誰もが自分には及ばない、自分は特別だと感じるかもしれない。

 しかし、そうやって快感に溺れている人が大半であり、そこに唯一無二の存在はいない。「自分は違う」と大勢が考える。その時点で皆同じなのだ。

 

 正論をぶつけることが正義なのか、相手を自分の力でねじ伏せて正すのが正しいのか、それぞれの正義について議論するよりも、自分には他人を傷つける力がある、それが楽しいと思う人々を粛正しようと立ち向かうことよりもまずは、消えてしまったものがこれ以上傷つかないように、消えてしまいそうなものを壊してしまわないようにしなくてはいけない。


 戦うな。守れ、逃げてもいい。それは負けではない。負けはない。


 正義の敵は悪ではなくて正義だ。だから正義の味方なんてものはいない。自分の正義を思う存分に披露したいのなら、戦わずして勝つことだ。正義なんてものは勝利という結果の後に証明されるのだから。


 辛いなら助けを呼ぶんだ。大丈夫、必ず誰かが側にいる。少なくとも私は否定しない。弱さも過去も醜さも過ちも全部含めて今のあなたがあるのだから。アドバイスはできないかもしれないが。話は聞ける。誰かに話をするってのも案外心が軽くなるもんだよ。



 


 


 

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