第7話 分からないって、どういうこと?
20
部屋の奥には社長室で見た記憶のある、どっしりとした大きな机と椅子が置かれ、そこに声の主と思われる女性が座っていた。
年齢は(前世の)私の少し上くらい、20代後半くらいかな…
オルデンブルク
「こんにちは、先生!あの、お取り込み中でなければ、こちらの方を
レフィーナが女性に話しかけた。
先生と言うからには、やはりこの女性が医者なのだろう。
いや、医者のいる部屋に案内されて、部屋の中はこの女性一人という
そもそも医者と言えば
でも100歩
でも、この姿は…
黒のとんがり
「こんにちは、お
黒い魔女の姿をした医者が私の方に顔を向ける。
「は、はい。あなたがお医者様…ですか?」
「ええ、そうです。私の名前はアレクサンドラ。ここ、オルデンブルク
アレクサンドラは
「ユメ、アレクサンドラはねとっても
レフィーナは
それにしても「黒の
黒の
「レフィーナ様、そのようなことお客様の前で
少し困ったような表情を浮かべつつアレクサンドラがレフィーナを
レフィーナはえへへと笑いながら、ばつの悪そうな表情を浮かべた。
「それでは、
そう言ってアレクサンドラは私に椅子に座るよう
「まずはお
――スタータスプルフーン
アレクサンドラがそう唱えると、彼女が右手に持っている木の棒がかすかに黄色に光った。
あれ?
「
――インスペクティオン
今度はかすかに緑色に光った
「
なるほど、科学技術ではなく魔法技術が
だからアレクサンドラは魔女の姿なのだ。
あれ?
でもうろ覚えだけど、RPGで
「でも、おかしいですわ。」
アレクサンドラが
「ユメさんは、
まずい!
どうしよう…正直に話したほうがいいのかな…
「先生、どうしたの?」
レフィーナが不安げに
「
そう言ってアレクサンドラは部屋の奥から占い師さんが使いそうな直径10センチ程度の
「
え?
あ!
私は
ウソがばれたわけではないけど、これはこれで
「ちょっと
そう言うと、アレクサンドラが持つ
次の
――パリーン!
「キャッ!」
「そ、そんな…」
レフィーナが悲鳴を上げ、その横でアレクサンドラが
ごめんなさい!ごめんなさい!
きっと、私のせいです!
私は心の中で
「ユメさん、
アレクサンドラの言葉にゴクリとつばを飲み込む。
「神の落とし子…なの?」
そうです!はい!私が神の…え?な、何ですって?
「神の…?」
「神の落とし子、です。世界に
そしてアレクサンドラは「神の落とし子」について説明をしてくれた。
だいたい100年に1人くらい、
「いや、私、そんなんじゃ…」
そんな
だけれど、この身体も能力値も転生するときに神様から
強く否定はできなかった。
「ユメさん。この
どうやら
それに、この人なら全て打ち明けたら、助けてくれるかもしれない。
いや、でも、
私は大いに悩んだ。
そして
「でもまぁ、
その空気に
助かった…のだろうか?
しかしもう一つ問題がある。
「あ、あの。アレクサンドラさん、この
転生の際に、神様から50万円分のお金をもらっている。
私の
「ユメさんはお優しいのですね。どうぞ、お気になさらず。私が私の判断で
それはそうなんだけど、そうじゃないのぉ…と言うわけにもいかず、私はしぶしぶ折れた。
夕食の後、私はアレクサンドラに呼ばれて、再び彼女の部屋に
そしてアレクサンドラの口から、私の
「まさか、神の落とし子とは…。いや、ウィリアムから
「それでね、ユメさん。それと
アレクサンドラが切り出す。
「私はずっとここに
「恐れながら
私はそんなこと、思いもしなかった。
強いは正義、強ければ何でもできる。何があっても大丈夫、そう思っていたけれど、
「アレクサンドラ、確かにそうかもしれない。だけれど、私はユメの思いを
オルデンブルク
それと同時にこの人を無用なトラブルに巻き込みたくない、と強く思った。
「さぁ、ユメ。ユメはどうしたいんだい?」
私はどうしたいんだろう。前世では会社にこき使われて、
「そうですね、私…どこかでゆっくりと静かに暮らしていきたいです。あ、誤解しないでくださいね。ここが
「そうか…」
父親のように温かく見守る顔をしている。
「ユメさん、これは
アレクサンドラが
「あなた、どこかでゆっくり暮らしていくとして、生活費を
「いえ…。それは…。」
「そうではないかと
なるほど、そういうこと。
でも私にぴったりの仕事って何だろう…?
「この国は、
「つまりそれって…」
――ユメさん、私の弟子になりませんか?
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