第4話 放課後1

帰りのホームルームが終わり賑やかになる教室を出て僕は図書室に向かう。なぜかというと

「あっ朝宮君。今日もきてくれたんだね」

そう、川西陽菜に会うためである。

普通に本を読みたいと言う理由もあるがやっぱり川西先輩と話しながら本を読んでいると楽しいので最近は毎日来ている。

「今日は何を読んでいるんですか?」

「今日はいも○えを読んでいます。」

「それ最近完結しましたよね?」

「そうなんですけど完結した本って一巻から読み返したくなるんですよ」

「あーそれ分かります。全体が分かるので読みやすいんですよね」

「それもあるんですけど、やっぱり読みたくなるんですよ」

「確かにそうですね」

「そういう朝宮君は何を読むんですか?」

「今から決めようと思ってきます」

「そうですか。その〜、いってらっしゃい」

「い、行ってきます」

(え、いきなりどうしたんですか。ちょっと変なこと考えたじゃないですか)などと思うがちょっと冷静になりながら本を選ぶ。本を選ぶと席に戻り本を読み始める。

1時間ぐらい読んでいると下校時刻のチャイムが鳴った。

「そろそろ帰りますか」

「そうですね」

などと言いつつ本をしまい帰ろうとすると

「朝宮君。ブレザーにほこりがついてるよ。

「えっどこですか?」

「ここだよ」

と言いながら肩の埃を取ってきた。その時先輩は僕のすぐ目の前まで来ていて、黒髪ロングの髪がサラッと揺れ真っ直ぐな目をしていた。

「あ、あの〜ありがとうございます」

「い、いえどういたしまして」

「じゃーまた明日ですね先輩」

「はい、また明日ですね朝宮君」

などと挨拶をして図書室を出る。今日は余り本の内容については話せられなかったが僕は凄い満足感があった。


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