第8話 デート!!

休日の日曜日、オレは静と遊園地に来ている。


遊園地にきて一時間みっちりアトラクション三昧だったから、静はクタクタでオレはギリギリ立っていられる。 今日はなんかやけに客が少なかったのだ。


静のやつくたばるまで普通のるか?


オレ達は2人ベンチに座っている。


オレはひどくあきれたが喉が乾いていたのでベンチを離れ自販機へと向かう。


「ちょっと自販機行ってくる」


「わ、わかったわ」


「なにがいい?」


「え、買ってくれるの?」


「これくらいいいよ」


すると静は嬉しそうに、「コーラで!」と言う。


「太るぞ」


「なっ! デリカシー無いわね!」


自分でも悪いとは思っている。 だが、俺が見ても多分少し太ってきている。 目立つほどでもないが。


「悪かったよ。 じゃあ行ってくる」


1


遊園地内で自販機を探すこと5分ようやく炭酸がメインの自販機を見つけた。


オレは自販機の所へ行こうとすると、 ふと誰かに呼び止められる。


「翔じゃーん。 こんなとこで何してるの?」


懐かしい声。 オレは誰か目星はついていたが振り返る。


そいつは案の定幼馴染みの新垣美優『あらがきみゆう』だった。


「新垣じゃん。 お前こそなにしてんの?」


とにかく話を変える。 俺はあいつとは表面上仲の悪いクラスメイトだからな。


「私は友達と遊びに来ただけだよ~ それで翔はなにしてんのさ?」


そう言って後ろの女子生徒二人が「どうも~」と俺に手を振る。


「俺もそんなとこ」


「そーなんだぁ。 あっそれじゃあ翔達も一緒にどう? 多い方が楽しいし」


ヤバイどうする? 早く戻らないと短気の静はまずキレる。 だからと言って断れば疑惑の念を抱かれる。


「あートイレ漏れる~! そんじゃあなぁ新垣ー」


最後手段、トイレ漏れるー。 これで俺は新垣と距離を取れた。


2


俺は新垣達に絡まれたがなんとかそれを掻い潜り、あいつのコーラと俺の水を買い全速力で静のところに帰る。


「すまねぇ。 待たせたな」


俺はぐいっと静にコーラを手渡す。


「ありがと」


こいつの口からお礼が聞けるとは。


俺は静の隣に腰を据える。


静はコーラを開け一口飲む。


なにやら満足していないような顔だ。


「ぬるい」


「うるさいな文句言うな」


3


俺達は夜まで遊園地で遊び呆け、夜8時家の帰路へとつく。


無言が続く中、前から男三人組がこちらに向かってくる。


何かを察した俺はスマホを録音モードにする。


「ねぇそこのお姉ちゃん。 こんなやつと一緒にいないで俺らと遊ぼうよ」


やっぱりナンパか。


俺は静の前に立つ。


「あのやめてもらっていいですか? 静嫌がってるんで」


「ああ? 何だゴラ!」


ナンパ組の一人が俺に右ストレートをかましてくる。


俺は吹き飛ばされ、地面に倒れ込む。


「翔! ちょっとあんたら何してんのよ! さっさとどっか行きなさい」


「何? 姉ちゃんそんな態度とっていいの? いいから来いよ。 ホテルつれてってやるよ」


そう言って、男の一人は静の腕をガシッと掴み、無理やり連れていこうとする。


俺はその腕を掴み、こう言う。


「やめろ! 今の会話は録音済みだ! これ以上するなら出るとこ出てもいいんだぞ」


相手を怒らせないかつ身を引かせる一手だ 。 俺はナンパ野郎共にスマホの録音画面を見せる。


「あん? それが何だよ!」


もう一人の男が俺にもう一度殴りかかろうとする。 俺はそれを避け、ノーガードの奴のお腹に飛び蹴りをかます。


男は気を失い地面に倒れる。


それを見かねてもう一人の男が俺に突っ込んでくる。


俺はそれを横に避け、そいつの背中をポンっと押す。 そしたらそいつはバランスを崩し、こける。


残るは静の手を握ってる男のみ。 俺はそいつに詰めより、「こいつらみたいにやられたくなかったら今すぐ帰れ」とだけ言う。


その男は静の手を離し腰を抜かし、他の奴等に抱えられ去っていく。


静は我慢していたのか俺に抱きつき、涙をこぼす。


「こ、怖かったよぉ……。 ありがとう」


「おい泣くなよ」


俺は仕方ないと思ったのか、静を抱き締め返す。 少し静は震えており、冷たかった。


静が泣き止むと、質問をしてくる。


「あんた何であんなに強いの?」


「別に強くないよ。 ただちょっと武道とサッカーをしてたからかな」


「そうなんだ」


静は笑顔でこう言う。


「助けてくれてありがとうあなたっ」


静が腕にしがみ着いてくる。




























  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る