第7話 デートの約束
期末テストも静のお陰でなんとか乗り越え、時期は夏休みに入っていた。
期末テスト前のじいちゃん達の訪問で静に腹パンされたからな....。
てか、あいつ名前静なのに全然静じゃないじゃん! 暴君だよ。
夏休みも執筆だ。
俺は夏休み朝起きると、食って書いて寝るだからな。
全然外にも出てないし不規則な生活なのはわかっている。
夏休み10日目今日も机にかじりついていると、静が俺の最近出来たばかりの部屋にノックもせず入ってくる。
「入るよー翔」
「もう入ってるじゃねぇか」
「細かいこと言わないの。 そんなことより、ちょっと話したいことあるんだけど……」
何やら髪の毛をクルクルして、緊張してるようだ。
「ん? 何だ?」
「昨日友達と遊んだ時、遊園地のペアチケットもらったの。 だからその今週末にあんたといってやろうかなーっと思って」
何で上から目線? ツンデレかよ。
「てか何でペアチケットをお前に渡すんだよ? ペアじゃなくてもよくねぇか?」
率直な疑問をぶつける。
「それは、その友達にあんたと結婚したこと言ったからよ」
え? こいつ確か前誰かに言ったら許さないとか言ってなかったっけ? 自分は許されるんですか、そうですか。
「なんで言ったの? 」
「そんなことはどうでもいいじゃない! で、行くの? 行かないの?」
静は顔を真っ赤にして、真っ直ぐな視線をぶつけてくる。
これ行かないって言ったらめっちゃふくれるんだろうな。 めんどくせぇな。 まぁいいか気分転換にもなるし。
「ああ、いいよ。 行こうか」
そう俺が返事すると、満面の笑みを、隠しきれないのか無言で部屋を出ていく。
「え? お、おい」
俺が呼び止めても振り返ることはなかった。
そして静が俺の部屋を出ていく。
「なんだ? まぁいいや。 執筆に戻ろう」
俺が小説投稿サイトを閲覧していると、俺宛にメッセージが送られているのが分かる。
俺はすぐにそのメッセージを既読にする。
そこにはこう書かれていた。
『こんにちわ。 私、雷文庫の編集部で働かせていただいている椿原亮『つばきはらりょう』と言います。あなたの作品を拝見させていただきました。 単刀直入に申し上げます。 あなたの作品書籍化してみませんか?』
俺はこのメッセージを見たとたん、部屋で跳び跳ねた。
「やったぁぁぁぁぁぁぁ! 俺の小説書籍化させるの? やったぁぁぁ!」
喜びが隠せないほどの喜び。
取り合えず返事しなきゃ。
俺は震える手を必死に動かそうとし、『ぜひ、お願いします!』と、返事をする。
すると、20秒も立たずに返信が返ってくる。
『ありがとうございます。 では、また後程連絡させていただきます』
マジで書籍化されんのか? マジで嬉しすぎる。
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