第3話 中間テスト対策勉強
霞と同棲生活を初めて早2週間。
俺達の生活は徐々に安定していき、2週間立った今では『楽』そのものだ。
だが、俺は家に帰ってくるなり服も着替えずにただ心を無にし、リビングのソファーに寝そべっていた。
程なくして、霞が帰ってくる。
霞は帰ってくるなり、汚物を見る様な目「何してんの? 服も着替えずにソファーにすわんな! このバカ!」と、罵声を浴びせてくる。
もうこいつの罵声にはうんざりしている。
本当に毎日イラつかせてくれるな~こいつ。
「仕方ないだろ? 今日は、テスト発表でうんざりしてるんだよー。 俺勉強出来ないし……」
「あんたバカだったの?」
ちょっと笑みを浮かべながら聞いてくるデリカシーの無い質問に俺は心底怒りが込み上げてくる。
「あ、ああ……そうだよ。 いっつもテストは赤点ギリギリラインだし、今までのテストで50点以上取ったことないよ。」
俺がこんなバカな理由は中学一年の夏、俺は、サッカーにハマリ、中学三年の夏まで勉強なんかほったらかしで、サッカーしかしてこなかった。それが仇となり、気づいた頃には全然勉強がわからなかったってオチだよ。今ではもうサッカーは辞めてなにも残ってないってゆうのによ。だが、俺はこの事がきっかけで一時の感情に任せた行動は後々に不幸となって訪れることを学んだのだ。
「中学入るまでは安定してたんだけどな」と、俺が呟くと、霞は「な、なら……私が勉強教えてあげようか?」と、耳打ち程度に呟く。
耳を済ませてなかった俺は当然聞き取ることができなく、「え? 今なんてゆった?」と、聞き直す。
すると、霞は声を大にし、顔を赤面させ、「なら、私が勉強教えてあげようか? っていってんの! 一回で聞いてよね! このバカ!」と、荒い口調で言う。
最後に暴言を忘れず付ける霞。
これ断ったら絶対キレられるやつだ。二週間も一緒に生活したら相手の性格ぐらいは分かってくる。
「よ、よろしくお願いします。」
律儀に敬語で返した。
すると、霞はニコニコ笑顔で「うん! 任せて!」と、強気に言う。
不意にも霞の笑顔で可愛いと思ってしまった。ほんとにちょっとだけどな。
1
次の日学校の図書室で勉強しようと言われたので、一人で図書室へと続く廊下を歩く。
図書室へ着くと、異様な雰囲気が漂っていて、俺はその原因に気づいた。
「何してるの? 早くこっちに来なさい」と、俺を手招きしている女子生徒がいる。その女子生徒は、無論霞で、先生の様な服を着ていて眼鏡をかけており、黒タイツまではいていたのだ。
俺は、その光景が目に入った。
「何でそんな格好してんの?」
すかさずツッコミを入れる。
「何でって、私は教える立場だからよ」と、胸をドンと叩き当然かのように振る舞っている。
「もしかして……変?」
変だけど……。でもほんとのこと言ったら殴られるんだろうな……。
そう判断した俺は嘘を着くことにした。
「変じゃないよ。 すごく可愛いよ。」
「そ、そう? ありがとう……」
弱々しい声で呟き、いつもの霞へと戻る。
「さぁ、早く向かいの席に座りなさい。始めるわよ。」
俺は言われるがまま、霞の向かいの席へと座る。
「指示した通りに前回の小テストの用紙は持ってきた?」
「ああ、持ってきたよ」
俺はそのプリントを霞に渡し、そこから出た結論。
「あんたは文系の方がまだできるらしいわね。 理系は壊滅的だけど」
確かにそうだ。 言われてみれば文系で赤点は取ったことが無い。
早速と言うように俺の間違った問題を教えてくれる。数10分で小テストのテスト直しは終了した。
「霞、教え方上手いな」
当然の用に口から零れる結論だ。
「あ、ありがと」
視線を外し、照れ臭そうに言う。
2
「今日は、終了よ。 また明日同じ時間にここに来なさい」
そう締めくくる霞。
俺が荷物を、片付けている時にはもう霞の姿はなかった。
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