第19回:二巻で振り返る一巻のあのシーン
※本内容には、第一巻全話、及び第二巻十四話までのネタバレが含まれる場合がありますのでご注意ください。
さて。
気づけば本編「非日常なんて日常茶飯事」の二巻も、全体の半分程更新されたことになりますね。
一応、二巻の紹介文には、以下の文言を記載しています。
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【第二巻 紹介文より】
巻中、第一巻に関係するシーンもございますが、一巻を読んでいない方でもできる限り物語を楽しめるようにしたつもりです。
ですが、もし過去の話で気になる部分があれば、よろしければ一巻も読んでいただけると幸いです。
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ここまでの流れでも、二巻なしでもある程度楽しめるように書いているつもりなのですが。やはり一巻の内容を使ったり、一巻の伏線回収であったりという展開も増えてきました。
というわけで。
今回は折角なので、現在の第二巻のプロローグから第十四話までで、一巻とリンクするシーンが何処なのか。こちらにて少し解説を入れてみたいと思います。
皆さん、覚えているかな?
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◆インフルエンザ
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【第二巻 第一話より】
御影にとっては見慣れた相手。
しかし、ここ一週間ほどインフルエンザという理由で彼と朝稽古もできず、姿を見ることもできなかったせいか。久々に元気な姿を見せた彼に、どこか懐かしさを覚えた。
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インフルエンザといえば、やはり第一巻エピローグですよね。
天使達との戦いを終えた雅騎が、身体に残る痛みのため、インフルエンザと偽り休んだあのシーンですが、その間御影は彼に逢えない日々を送っていた訳です。
御影の性格上、相当じれったい日々だった事が伺えるというか、よく我慢したぞ、御影! という気持ちですね。
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◆ミントアイス
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【第二巻 第一話より】
「それならサンディワンで許してやってもよいぞ」
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このフレーズから、第三話まで続くサンディワンでの一コマといえば。
第一巻第九話の、御影達の入院シーンの一コマですね。
勿論ここまで好きになるのには理由があるわけですが、ある意味御影の魅力のひとつかもしれないですね!
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◆
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【第二巻 第一話より】
正面で技を繰り出していた御影が、突然雅騎の正面から消えた。
いや。正しくは非常に早い動きで雅騎の側面に移動したのだが、力なき者が見れば、それを目に追うことすらままならなかったであろう。
──
その身を素早く転身し、相手の側面を取る。
雅騎はその、普段の組手では繰り出されない技に驚きを隠せない。
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第二巻ではかなりの頻度で登場するこの技ですが、実は初出は第一巻の第十八話。
レイアを助けるために、一か八かで放つあのシーンですね。
ちなみに第一巻第七話でも、佳穂が
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◆過去の再会
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【第二巻 第二話より】
──本当に困ったものだ。お前は……。
街灯の明かりの切れ目で、二人は少しの間、影に覆われる。
そんな中で御影は、少し恥ずかしげな笑みを浮かべながら、ふと今年の春の事を思い返していた。
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この話から始まる御影の回想シーン。
これまた、第一巻第九話の御影達の入院シーンの一コマで、雅騎が帰った後に三人が話すシーンで語られていますね。
あそこで「雅騎が逢いに来てくれた」と語った御影ですが、まあここまでしてたら、人に詳細なんて早々話せませんよね……。
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◆佳穂、エルフィとの関係
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【第二巻 第五話より】
『今から会えないかな?』
返ってきたメッセージに、雅騎は思わず「え?」っと声をあげた。
こんな遅い時間に彼女に会ったのは、以前佳穂とエルフィと共に、天使達の戦いを乗り切ったあの日位のもの。
この時間にMINEでやり取りすることはたまにあったものの、会いたいと切り出された事は一度もなかった。
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佳穂と連絡をとった一コマですが。
正直、これはもう第一巻に全てが詰まっているので、是非一巻を!(宣伝か!?)
ちなみに、第一巻を読みきった方こそ、この話の佳穂とエルフィが雅騎を見ていたのか、に関するお茶目な反応がより理解できるかも?
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◆墓参り
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【第二巻 第十話より】
語られしフェルミナの言葉。
そこに、真実などなかった。
確かに雅騎は、小さい頃に友達を亡くしている。だが。その命日の墓参りは、既に先月済ませていた。
そして。亡くなって何年も経った相手のために、たった一ヶ月でまた墓参りに行くなど、よほどの事情でもない限りありえない事。
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ここで語られたフェルミナの嘘。
これは第一巻第四話の、雅騎の
嘘でないような、嘘な話。
地味にこういう伏線の使い方が好きだったりします。
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◆ドラゴン戦の記憶
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【第二巻 第十話より】
──「……今は理由なんかより、やるべきことがあるんだろ? 御影」
瞬間。
女は、思わず目を見開いた。
何故、忘れていたのか。
何故、今思い出したのか。
それは、分からなかった。
だが。
それは、己が今も人であれる理由。
業火。絶望。
記憶に蘇りし、あの
自分だけでなく、仲間をも失いかけたあの日。
それでも女は皆のため。僅かな希望を信じ。絶望に命を捨ててでも。友と戦い続ける覚悟を決めた。
だが、それは止められた。
一人の男によって。
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この開幕の台詞こそ、第一巻第二話で、雅騎が御影に掛けた言葉です。
大元の話は、第一巻第一話から第四話へと流れる、御影、霧華、佳穂、エルフィの四人のいきなりの危機から、記憶を失った話までの話になりますが。御影の失われし記憶は、ここでやっと取り戻された訳です。
第一巻の第八話で雅騎が記憶を封じた時、きっかけがあれば、思い出すかも知れないと言っていた訳ですが。やはり御影にとって、彼に冷たく突き放された事のショックは、相当な衝撃だったということでしょうか。
御影はその後となるシーンとなる第一巻第四話で、くよくよしても仕方ない、と佳穂達と違いしっかり割り切っていた訳ですが。
この流れがあったからこそ、のうのうと生きてきた事を後悔するくだりになるという、第一巻では大した事なさそうな話が、ここで重くのしかかるという繋がりを見せる辺り、しょぼん(´・ω・`)流な伏線の使い方だったりしますね。
ちなみに、この流れで語られた病院で傷を負っていたという話。
これは第一巻第九話で見舞いから帰ろうとした雅騎に、霧華がその状況に触れたあの怪我の話に繋がっています。
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◆炎のトラウマ
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【第二巻 第十四話より】
──まったく。最近、
周囲の炎から感じる灼熱。それを雅騎はここ最近幾度も経験した。
ドラゴンとの戦い。ティアファルトの
そう。
最近、あまりに炎と縁がある最近の自分に、呆れるしかなかったのだ。
既に治ったはずの
それもまた戦いで受けし、ひとつの
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ドラゴン戦は、第一巻第七話、第八話の雅騎が独りドラゴンに挑んだ戦い。
そして
実は第一巻を書き終え、第二巻で
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◆
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【第二巻 第十四話より】
「この炎とその朱雀で、
周囲の戸惑いが加速する中。彼は再び、右半身を後ろに引き。
「だから
そうはっきりと告げると、相対するように、戦いの構えを取った。
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最後のご紹介はこれ。
第一巻で語られていなかった雅騎の力について、初めてその名を語られた訳ですが。
実は細かな事は全然語られてませんね(汗)
第一巻の第七話から第八話のドラゴン戦や、第十七話から第十八話のレイア達天使との戦いで見せた力はこの
細かな謎は多いですよね。
雅騎の技はどう考えても、現代の技名じゃないにも関わらず、彼の存在は現代の名になっているのは何故か、なんて思う方もいらっしゃるでしょう。
そういった点も是非今後楽しんでいただきたいですが、実は第一巻第七話のドラゴン戦は、少しその理由に繋がるシーンが含まれています。
わかりますか?
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というわけで。
こうやって見ると、やはり物語が第一巻から続く話だと、よく分かりますよね。
正直、第三巻ともなるとこれがより顕著となりますので、気になる方は是非第二巻だけでなく、第一巻も読んでいただけたら嬉しいです!(また宣伝かよ!?)
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