第18回:文体が違う二巻第十二話の秘密

※本内容には、第一巻全話、及び第二巻十二話までのネタバレが含まれる場合がありますのでご注意ください。


 さてさてお久しぶりのニチサハよもやま話ですが。

 今回の十二話。本気で文体が違いすぎて、変な気持ちになった方もいらっしゃるかもしれませんね。

 今回は折角ですので、この話の裏話などを。


 個人的に、読みやすさは残したかったものの、敢えてくどめの時代劇風な描写で始めたこの話。読み進めていくと、気づけば普段と同じ文章に戻っていますよね。

 これ、勿論意図しているんですが、その意図は読者にきっと伝わらないし、Web小説ではやっちゃいけない手法なのは理解しているのですよ。


 ですが。

 第二巻を書き出し、このシーンに入るときからこの書きっぷりにして、結局変えずに公開することにしました。

 読みづらさあるかなと、直前まで変更するかは正直、結構悩んだんですけどね。


 では、そこに込めた意図は何なのか。

 この段階でも作品を読むと感じられるかもしれませんが。


 話の根本にあるのは、十一話でも改めて語られた、神降之忍かみおろしのしのびが古来より屈している相手に強いられし、にえの儀という過去です。

 そして、その古来からの定めに従おうとした御影と神降之忍かみおろしのしのび。対して、現代にて抗おうとする雅騎。

 そんな闘いなのですね。


 御影が心打ち拉がれた理由。

 それは雅騎……かといえば。実はそうではなく。

 根本には、過去から続く因縁があるのです。


 だからこそ。

 敢えて出だしをこんな、古き過去を感じさせるような文体にしてみました。


 話が進むに連れ、御影の心の影がはらわれ、心と、未来に向け雅騎と抗うまで。

 縛られし過去。変わろうとする現代。求める未来。

 そんな変化を、文体の中で感じてもらおう。

 実はそんな意図を込めて、十二話をこの形で書き上げてみました。


 勿論、古風ながらも少しでも読みやすさを残す努力はしてみましたが、うまくいっているかはわかりません!

 だって、作者本人はこれでも楽しく書いちゃっていて、読者置いてきぼりの可能性高いですからね!

 ただ、こんな意図にもし気づけた方がいたら、もうあなたはしょぼん(´・ω・`)さん本人確定です!(嬉しくない)


 というわけで。

 何か雰囲気が違う時には、もしかしてしょぼん(´・ω・`)さん何か意図があってやっているのでは!? なんて推測しながら、引き続き作品を楽しんでいただけたら幸いです。

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