第10回:ニチサハの楽しみ方 ~違和感を楽しむ~
※本内容には、第一巻第十四話までのネタバレが含まれる場合がありますのでご注意ください。
さて、皆様のおかげで本編「非日常なんて日常茶飯事」も無事、PV1000という大台に達成しました!
近況ノートでもお礼を書かせていただきましたが、皆様本当にありがとうございました!
さて。こんな機会ですので、今回の「ニチサハよもやま話」は、作者が語る、ニチサハの楽しみ方、なんてのを書いてみようと思います。
さて。「ニチサハよもやま話」第1回でも語っていますが、自身の作品は単話完結されていません。
一巻第一話から第二話の結末が第七話から第八話に掛けて語られたり。
一巻第五話のエルフィと佳穂が話す、お互いを助けた話。これは一巻第三話の夢のシーンがあってこその話だったり。
第1回で書いた通り、「過去の話を伏線にする」形にしているため、読んでいく流れで必要なシーンが連続してこないんですよね。
実はこういった作品の流れは、先に語った話の流れだけでなく、ほんのちょっとした一文で、おや? って気づけたりするんですよね。
というわけで、多分読み続けている読者でもそこまでいないあろう、ニチサハの熱烈なファン向けに、これ気づきましたか? という例題を挙げてみようと思います。
あなたはこの違和感、気づきましたか?
※伏線回収してないものもございますが、予めご了承ください。
勿論早かれ遅かれ回収しますよ!(かなり先になる可能性もあります)
◆初級編 ~フェル
一巻第十二話「至福は至福へと通ず」にて、雅騎はこんな心の声を呟きますね。
********
──やっぱり、フェル
********
いやぁ、露骨。露骨ですね!!
今までの会話では全て「店長」って言っているのに、心では「フェル
これはもう、この二人の関係に何かあるって疑っちゃますよね?
普通の人、いくらバイトとして親しくても、店長って言いますからね。
さあ、この二人の関係は!?
いつ明かされるかは乞うご期待!?
◆中級編 ~知の利~
一巻第七話「絶望と希望の間」にて、ドラゴンに挑もうとする雅騎を止めようとしたエルフィと雅騎はこんな会話してますよね。
********
「正直、勝てるかは五分五分。ただ今日は随分と濃いし、俺には知の利もあるから、なんとかなるさ」
『濃い? 地の利?』
********
これ、エルフィの返しもあって、実は誤字ではというご指摘を受けました。
ご指摘いただいた方のお名前は挙げませんが、その節はお手数おかけして申し訳ございませんでした(汗)
勿論、誤字じゃないんですよね。
一般的には「知の利」とは書かない、どちらかといえば造語の部類です。
(たまに世間でも使われる造語ではありますけどね)
これはわざと、読者だから気づけるように書いています。
日本語で発音されたら(=作中内のエルフィや佳穂が聞いたら)、普通後者に捉えますよね。
なので、佳穂がこれを「地の利」と捉え、考えを巡らすわけですね。
言葉の違和感から、何となくこの意味を察することで「雅騎ってもしや!?」という読者の予想を
これも伏線回収はちゃんと考えてますが、気ままにお待ち下さい、かなぁ(汗)
◆上級編 ~三人~
正直、これに気づいて、先を予想できた人がいたら、もうあなたはしょぼん(´・ω・`)作品マスターになれますね!
一巻第二話「決意は
この話の一番最後は、突然訪れた眠気に、佳穂達が倒れるシーンで終わっています。
その最後の一文がこちら。
********
彼の姿は
********
はい。勿論誤字ではないですよ!
先の話(一巻第五話~第六話)を読んでいる人なら既に感づいたかもしれませんが、この時点で「エルフィは眠っていない」ので、三人なんです。
一応それを匂わせるべく、台詞も佳穂、御影、霧華が
ここでエルフィは意識があった。
だから一巻第四話で嘘を付き、一巻第五話~第六話で事実を佳穂に話して、真実を伝えようとするわけですね。
もしこの段階で「あれ? 三人?」って思って「これは誰かがあの戦いを見ていた人がいるのでは?」と察したら、本当にちゃんと読んでくれている証拠!
とはいえ、よもや佳穂が事実を知るための展開がああなるまでは、予想出来る人いないと思います(汗)
あと、ここでの誤字指摘は今の所ありません!(良かった!)
と、こんな感じで細かな違和感を散りばめて、何かの気づきを誘って物語について考えさせようとする本作品「非日常なんて日常茶飯事」。
本当にライト感もなく、話をひねっているつもりでも、王道なのであまり捻りがない、本末転倒と言われても仕方がない本作ですが、その分こういう所も楽しんで読んでみていただくと、また違う楽しみができるかもしれませんよ!
なお、この違和感の組み込み方には自身の作品故に、やはりパターンがあるのですが、そこはまた、おいおい何処かでお話したいと思います。
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