第6回:「結果」より「経過」の物語
※本内容には、第一巻第十話までのネタバレが含まれる場合がありますのでご注意ください。
さて、今回の『ニチサハよもやま話』ですが。
そろそろこんな話を書きましょうか、ということで、この作品の長さに関するお話です。
『ニチサハよもやま話』第1回でも、一話毎の文章が長い、というお話は少し触れさせていただきました。
理由として
・描写のこだわり(≒まとめ下手)
・一週間一度更新の分、読み応えをもたせた
というのを挙げています。
が、今回はもう少し深堀りしたお話です。
自分の作品を奥さんに読ませたり、書いていないスピンオフ作品の構想を口にした時によく言われることがあります。
「しょぼん(´・ω・`)の小説は女性作家さんっぽい」
しょぼん(´・ω・`)はれっきとした男です。
だけどこう言われるんですよ。「男性向け」ってタグ付けてるのに(汗)
ただ、これは本当に、自分の中で理解している部分であり、ある意味こだわりの部分だと思っています。
突然ですが、恋愛ものの話で、こんな話を聞いたことはありませんか?
男性の恋物語は「結果」あっての物語。
女性の恋物語は「経過」あっての物語。
自分の言い方が独特なので、例をとって説明します。
勿論そんなことはない、という方も多いと思いますが、あくまで傾向分析な話ですので、こんな話がある、という気持ちでお読みください。
これは色々な方の作品を読むようになって、自分もより傾向を強く感じたのですが、恋が成就する展開が物語にある時。
男性向け作品は主に「最初から相手にアピールされている」事が多いんですよ。
つまり、お相手が主人公に惚れている事が多い。なので、恋愛ものでも先に付き合い出す事が圧倒的に多いです。
これは「好かれている」という「結果」が先にあるんです。
勿論、付き合った後「こういう事があったんだよ」という話を書かれる方は多いでしょう。
でも、物語では先に結果があるんです。「好かれてます」からね。
対して女子向け作品は「相手を振り向かせるために努力する」事が多いんです。
相手に「好かれていない」としても、何かしか頑張ったり、偶然がある中でお互いが心惹かれ合う過程が描かれ、結果結ばれる。
この「経過」が物語の主軸になることが多いんです。
で、ですね。
丁度ニチサハも自称「ラブコメ回」と題した展開に入っているわけですが。
自分の場合、恋愛的な部分以外もそうなんですが、この「経過」を書きたくて仕方ないタイプなんですよ。
例えば一巻第九話から第十話(絶賛継続中)の佳穂が雅騎にお礼を言いたい。だけど自分の力では二人っきりになれない、と悩むシーン。
こういうシーンって、男性作家さんであれば、「どこかで偶然出会って、そこからきっかけできて話せて」、とか「相手から急に連絡があって、二人きりになれる」位、ライトに展開される事多いと思います。
(本作で言うなら、第九話の夢のシーンがそのまま現実として進む、って感じでしょうか)
正直その方が、話はすっきりと進むと思います。
ですが、既にニチサハ読んでいただいた方々は分かると思いますが、自分はわざわざ掘り下げています。
それは、そういう佳穂の戸惑いとか、自信のなさを知ってほしいから。
自分の中で書きたいのって、そういう経過を含めた心情があっての未来を書きたいんですね。
だから、経過をかなり掘り下げて書いてしまうんです。
一巻第五話~第六話だってそうです。
多分読者の何人かは思ったかも知れません。
「エルフィ、うだうだ言わず口で話せばいいじゃん!」
勿論、自分もその方が文章すっきりするのを知っています。
話の構想上、最初の数話であった戦闘はどうなったかを、独特な見せ方をするというのを決めていた部分はあります。
だけど、あそこは佳穂とエルフィがあんなにグダグダしなくても良かったんじゃない? と思うかも知れないんですね。
だけど、自分は書きたかったんですよね。
「この二人はどれだけ色んな人に優しいんだよ! スイーティーかよ!」っていう心情描写を経て、決断に至るという「経過」を。
そして、その「経過」があったからこそ、彼女達はこう行動しているのか、という理由を、しっかりしたいタイプ。
ですので。
他の作品と比べても、ワンシーンが次に行くのに時間が掛かるケースが多いです(汗)
先の一巻第五話~第六話なんて顕著な例ですが、この先も含め、こういうシーンは幾つか入ってくるはずです。
しかも、まとめ下手なんで、もしかしたらより冗長に感じる事もあるかもしれません……。
ですが、これがしょぼん(´・ω・`)流なんだな、とご理解いただき、読んでいただけると嬉しいなぁ、なんて思います。
一応話の中で心情が動いて、同じシーンでも何かしか展開があるようには気を遣っているつもりですが、うまく言ってない時もあると思うので、そこは笑って許しましょう!。・゚・(ノ∀`)・゚・。
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