君が僕に願うのなら

 君は何度、僕の前で笑ってくれただろうか。



 ほとんど何も映さない、君の変わらない顔をずっと僕は隣で見てきた...



“自分は独りなのだ”と、君は隣にいた僕にさえ、最後まで気付いてはくれなかった。



「君を笑顔にできない僕に、好きだなんて言えるわけが無い」



 どうしたら君は、あの不器用に笑う...可愛らしい笑顔をもっと僕に見せてくれただろうか。






 もう、僕の世界にいない君に...


 君が大嫌いだと言っていた世界を、僕が壊してあげる。


 そうしたらきっと、君は僕の大好きな笑顔をくれるでしょ?




 君が僕に願うのなら...



 君が大嫌いだったこの世界を

  (君のいない僕の世界を)


   壊そう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る