第1728話「ダム建設予定地へ」
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◇名無しの調査開拓員
最近稲荷寿司食ってねぇなぁ
◇名無しの調査開拓員
虚無いなり食べてる時より気分が落ち込んでるぜ
◇名無しの調査開拓員
そういえばプラント占拠はどうなったんだ?
おっさんが人質になってるんだよな
◇名無しの調査開拓員
ウェイドちゃんが反旗を翻したやつだっけ
◇名無しの調査開拓員
微妙に違うな。なんかペンライトって名前の調査開拓員が、ウェイドちゃんと結託して組合のプラント奪って立てこもってるんだよ。
◇名無しの調査開拓員
ウェイドちゃん被害者じゃんっ!
……違うな。共犯者だな。
◇名無しの調査開拓員
なんで誑かされてるんですか???
◇名無しの調査開拓員
おっさんが捕まってるあたり、何かしらのイベントなんじゃないの?
◇名無しの調査開拓員
ペンライトって人誰か知ってる?
全然調べても出てこないんだけど
◇名無しの調査開拓員
一応、ちょっと前のカニ狩りで活躍してたらしいけど
◇名無しの調査開拓員
カニ狩りってことはまだまだ初心者じゃん
なんで誑かされてるんです???(二回目
◇名無しの調査開拓員
あのプラント、エナドリ作る工場らしいな
その原料として人工甘味料も作ってたらしい
◇名無しの調査開拓員
あっ(察し
◇名無しの調査開拓員
もうダメだろあの管理者
◇名無しの調査開拓員
頭まで甘くなってんじゃねぇか
◇名無しの調査開拓員
それで、いつ攻め立てるんです?
◇名無しの調査開拓員
一応現場にキヨウとサカオがいるらしいけど、まだ突入してないんだよなぁ
一回ちょっかいかけてたみたいだけど
◇名無しの調査開拓員
警備NPCが軒並み爆殺されてたからな
あのペンライトって子、めちゃくちゃ強そうだぞ
◇名無しの調査開拓員
ええ……
◇名無しの調査開拓員
なんか、散弾の弾道を完璧にコントロールして、破片同士で跳弾させながら警備NPCの関節破壊してるって噂ですよ。
◇名無しの調査開拓員
ええ……
◇名無しの調査開拓員
ドン引き
◇名無しの調査開拓員
ペンライト、おっさんみたいな奴じゃねぇか!
誰だよ無名の初心者って言ったやつ
◇名無しの調査開拓員
おっさんだって最初は無名の初心者だっただろ!!
◇名無しの調査開拓員
とにかくキヨウちゃんたちに呼ばれないと俺たちも動けないからなぁ
はよ戦いたいわ
◇名無しの調査開拓員
管理者から特別任務出てたよ
◇名無しの調査開拓員
っしゃきた!
武器なに使おうかねぇ
◇名無しの調査開拓員
やれやれ、私の出番ですか
◇名無しの調査開拓員
俺のジェットハンドが火を噴くぜ
◇名無しの調査開拓員
【悲報】特別任務、生産資材納品だった。
◇名無しの調査開拓員
ええ……
◇名無しの調査開拓員
どぼじで
◇名無しの調査開拓員
俺のジェットハンドが……
◇名無しの調査開拓員
作戦の内容公開されたけどマジかいな
瀑布を堰き止めるダム作るって書いてるぞ
◇名無しの調査開拓員
はぁ????
◇名無しの調査開拓員
ついに他の管理者まで頭おっさんに
◇名無しの調査開拓員
嘘だと言ってよキヨウちゃん
◇名無しの調査開拓員
戦場建築士も募集しとるなぁ
◇名無しの調査開拓員
滝壺周りの土地が全部強制徴収されてんな
まじでここにダム作る気じゃねぇか
◇名無しの調査開拓員
俺のスコップが火を噴くぜ
◇名無しの調査開拓員
出番ないと思って伐採してたわ。
今すぐ行きます。
◇名無しの調査開拓員
生産者大慌てで草
……俺は帰ります
◇名無しの調査開拓員
まだ出番があるかもしれないだろ!!!
◇名無しの調査開拓員
強制接収終わったとはいえ、エリマネとは戦わないといけないっぽいしな
いけ! 戦闘職!
◇名無しの調査開拓員
お前らは俺のなんなんだよ
◇名無しの調査開拓員
トレーナー?
◇名無しの調査開拓員
飼い主?
◇名無しの調査開拓員
おら、露払いよろしくw
◇名無しの調査開拓員
本気出せば俺のほうが強いということをお忘れなく
◇名無しの調査開拓員
はい、調査開拓団規則第二条w
◇名無しの調査開拓員
っ!!!! すっ! ろすっ!!!
◇名無しの調査開拓員
仲良くしようや・・・
◇名無しの調査開拓員
ていうかエリマネってエリアエネミーのことかよ
◇名無しの調査開拓員
とりあえず土地抑えるところからだなぁ
地ならしよろしく!
◇名無しの調査開拓員
滝壺周りって結構強めの奴ばっかりじゃなかったっけ
あーーー……ワクワクすっぞ!!!!
◇名無しの調査開拓員
やれやれ、仕方ないですね
◇名無しの調査開拓員
俺のジェットハンドが火を噴くぜ!!!
◇名無しの調査開拓員
帰ってきました
やるぜやるぜ
◇名無しの調査開拓員
なんだかんだ血気盛んだなぁ
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「はえええええええええっ!? はえっ!? はえあっ!? はえんっ!? はえっぽっ!?」
間近に瀑布の轟音が迫る滝壺間近。木々を薙ぎ倒して襲いかかる巨大な蜘蛛型エネミーに、シフォンが追いかけられていた。もさもさと毛のはえた長い脚が迫り、赤い無数の目が光る。
シフォンは木々の間をすり抜けるようにして、悲鳴をあげながら逃げている。背後から近づいてくる足音は、大地を揺らすほどの衝撃だ。尻尾の先を踏まれただけでも、無事では済まない。
「はやぁあっ!? はえっ、はわっ、はわえっ!?」
さらには弾丸のように白い塊が飛んでくる。それは短く射出された糸の塊であった。だが頭ほどのサイズとなれば、それも直撃すれば大怪我は間違いない。
シフォンは視界の外から襲いかかってくる猛攻を転がるように避け、時にパリィしながらやり過ごす。
大蜘蛛は滝壺周辺をテリトリーとするエリアエネミーの一体であり、危険指数670の大物であった。当然、シフォン一人で倒すには火力が足りない。
「はえんっ!?」
足元を狙った糸玉が着弾する。腐葉土と共に吹き飛ばされたシフォンを、蜘蛛の顎が捕えようと迫る。
「は、はえええんっ!」
彼女は放物線を描きながら、枝に手を伸ばす。咄嗟の機転で軌道を変えて、尻尾の先を掠める顎をやり過ごした。
だが、蜘蛛は執念深く追跡し、太い木を薙ぎ倒す。シフォンは飛び降りて再び走る。
「はわ、はわ……」
揺れる視界で、マップを見る。
あともう少し。
『ギィイイイイイッ!』
「はえええっ!?」
蜘蛛が苛立ちの声をあげる。危険指数670の咆哮は、まともに受ければその圧力で強制的に足がすくむ。そうなれば一巻の終わりである。
シフォンは足をもつれさせ、地面に転がる。
そこへ影が覆い被さった。
「はわぁ……」
シフォンの目に涙が滲んだ、その時だった。
「ゴールです、シフォン。――『パワースタンプ』!」
獲物に狙いをつけた蜘蛛に、鉄塊が叩きつけられる。
ぐしゃりと毛だらけの身体を破壊し、なおもあまりある勢いで周囲の地面を陥没させる。移動を抑え、溜めに溜めた力を一瞬にして解放したレティの一撃。それが、化物のような蜘蛛を一撃のもとに叩き潰したのだった。
「は、はええ……」
力が抜けてへたり込むシフォン。熟れた果実のように弾けた蜘蛛から、紫色の血が飛び散っていた。彼女に手を伸ばしたのは、頭から血塗れになりながら、清々しい笑顔を浮かべたレティだった。
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Tips
◇怪腕のジルグ
〈鎧魚の瀑布〉に生息するマイアータランチュラの一個体。非常に凶暴で、大きく成長したことで更に力をつけた。蜘蛛に似た外見ではあるものの一箇所に巣を張ることはなく、特定の縄張りのなかを動き回り、迷い込んできたものをその腕で直接絡め取って捕食する。
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