ヴォーパルバニーと要塞おじさん

第1459話「閉塞の穴中」※

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◇名無しの調査開拓員

なんなんだあのクソデカイカ

デカ過ぎて刑事になったわ

◇名無しの調査開拓員

しかもなんか輝いてるしなぁ

良かったなお前ら、お揃いだぞ

◇名無しの調査開拓員

誰がハゲやねん

◇名無しの調査開拓員

すぞ

◇名無しの調査開拓員

お、戦争か？

◇名無しの調査開拓員

あのイカは結局白神獣ってことでいいのか？　その割には騎士団も景気良く特攻仕掛けてるが。あれで白身獣だったら後が怖そう。

◇名無しの調査開拓員

白神獣っぽい感じはするが、襲いかかってくるしなぁ

対話に応じるならともかく、今の所近づいただけで暴れ回ってるし。

騎士団は初見で船沈められたから引くに引けなくなってんじゃねぇの？

◇名無しの調査開拓員

団長と副団長がおっさん探しに出かけてるみたいだからな

今の暫定指揮官はクリスティーネちゃん

◇名無しの調査開拓員

あっ（察し

◇名無しの調査開拓員

なんであんなトンデモ作戦になったのか一瞬で理解した

◇名無しの調査開拓員

騎士団のロードローラーこと特攻隊長クリスティーネちゃん

◇名無しの調査開拓員

最初はマジで捨て身の特攻だったけど、銀翼の団が加勢したしかなり盛り返してきてるよ

とりあえず触腕がうざすぎるから、それをぶっちぎる方針で動いてる

◇名無しの調査開拓員

騎士団が暴れてくれるおかげで上空からの偵察しやすくて助かるわ

と思ったらドローンバンバン落とされて泣きかけたけど

◇名無しの調査開拓員

上空でも200mより近くに入ると狙われるっぽい

高度取りつつ望遠レンズで撮影が安牌かな

◇名無しの調査開拓員

高高度航行ドローンってそれだけでバカみたいに値段するんですけどね

こんなんがバンバン墜落してて、関係ない俺も胃が痛くなるわ

◇名無しの調査開拓員

攻略組の運命|（さだめ）みたいなもんだ。気にするな。

◇名無しの調査開拓員

どれだけ金と機材を注ぎ込めるかが攻略の鍵みたいなところあるからな

それこそ騎士団なんか今の時点でなんぼほど人とモノを溶かしてるか

◇名無しの調査開拓員

一回壊滅して〈ミズハノメ〉に戻った騎士団、なんら躊躇なく回収依頼出しててビビったわ。暴嵐海域かつ猛獣侵攻発生中だと依頼の価格だけでもかなりだろ？

◇名無しの調査開拓員

それで回収成功確率も割と低いしな

今だと70％くらい？

◇名無しの調査開拓員

平時の暴嵐海域で75％くらい。

猛獣侵攻中だと70％くらいだけど、今回はイベント中で甚大な猛獣侵攻って言われてるし、体感だと60％切ってるわ

◇名無しの調査開拓員

回収コストは素体＋装備だけで70kだろ

インベントリ完全補償だとプラス100kかかるし

◇名無しの調査開拓員

金取り過ぎ！！！！！

素寒貧になるわ！！！！

◇名無しの調査開拓員

ミズハノメたんに尻の毛むしって貰えると考えれば・・・

◇名無しの調査開拓員

なるほど？

◇名無しの調査開拓員

なるほどじゃねぇよ変態どもめ

◇名無しの調査開拓員

とりあえずフィールドの危険度下げないとだなぁ

せめてイカの名前だけでも分りゃいいんだが

◇名無しの調査開拓員

解析頑張ってるがなかなか難しいっぴねぇ

◇名無しの調査開拓員

イカの名前分かったら危険度下がるの？

◇名無しの調査開拓員

正確に言うとフィールド内の原生生物に関する解析度が上がれば危険度が下がる。イカのことを知れば知るほど安全策が練れるってイメージかな。

このシステムのせいで今回みたいに突然ボスクラスのエネミーが出てくると一気にフィールドの危険度が上がって、機体回収費用もボラれる。

◇名無しの調査開拓員

はえー初めて知ったわそのシステム

◇名無しの調査開拓員

まあ大体のフィールドは開放初日に解析班がローラーしてあらゆる原生生物の情報集めまくって危険度下げまくるからな

◇名無しの調査開拓員

〈鑑定〉スキルレベル90以上の解析班でも名前すらわからんってどういうことだよ

スキルレベル100でも無理なんじゃねぇの？

◇名無しの調査開拓員

もしくは何かしらの事前知識が必要って話かもな。

〈オモイカネ記録保管庫〉に手がかりがないか探してるプレイヤーもおるし。

◇名無しの調査開拓員

俺たちがこうしてスレ浪費してる間にも頑張ってる人がいるんやなって

◇名無しの調査開拓員

とりあえずおっさんが戻ってくるまで耐えれば勝ちみたいなところあるしなぁ

◇名無しの調査開拓員

絶対今回のイベントもおっさんがなんかやらかしてるだけだろうし

◇名無しの調査開拓員

おっさん帰ってきたら団長と副団長とメルと白鹿庵もついてくるんだろ？

◇名無しの調査開拓員

お得じゃん

◇名無しの調査開拓員

おっさんーーーー！　早く帰ってきてくれーーーー！　どうなっても知らんぞーーーーっ！

◇名無しの調査開拓員

おっさん帰ってきたら起こしてくれ

◇名無しの調査開拓員

あの人ただの一般プレイヤーじゃなかったの・・・？

◇名無しの調査開拓員

誰が信じるんだよそんな与太話

◇名無しの調査開拓員

おっさんは最重要NPCやぞ

◇名無しの調査開拓員

とりあえずそのうちおっさん日誌更新されるだろうし

それ見てからイベント参加するかどうか決めるわ

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「……完全に閉じ込められましたね」

　暴嵐海域深海。薄鱗を辿って洞窟を進んでいたレティたちは異変に気がつき、引き返そうとした直後に白い格子によって退路を断たれた。奥の探索も慎重に行ったのち、彼女たちは進退窮まったことを確信する。

　奥へ進もうにも無限に続き果てしない。後ろは〈破壊〉スキルを用いた全力攻撃でもびくともしない。

『そんな……。わ、私のせいです……』

　顔を青ざめて頭を抱えるのはウェイド。この救助隊の責任者だ。

「あの鱗自体に何か変な効果があったんでしょ。こうして正気に戻れただけでも良かったよ」

　ラクトの慰めも彼女にはあまり響かない。海中洞窟の奥底にて囚われ、外部との連絡も取れない状況は、あまりにも絶望的だ。

　しかも、そこにさらに追い討ちがかけられる。

『酸素が八割を切ったよ』

　船を管理するクチナシが、船倉に積み込まれた物資の残量を確認して言った。調査開拓員も管理者も指揮官も、活動に酸素の吸入を必須としている。だからこそ水中に潜る際には酸素ボンベなどの装備が必要だった。

　レティたちは〈ビキニアーマー愛好会〉から手に入れた装備によって半永久的に酸素を得られるが、管理者たちはそうもいかない。

　ひたひたと迫る窒息の危険に、クナドもコノハナサクヤも表情を固くしている。

「レッジさんは大丈夫なんでしょうか……」

　レティが心配するのは、この後に及んでもレッジただ一人だ。パーティを解散していないため、彼のLPは見える。だが100％近くで安定しているそれをどこまで信用できるのか。

　いくらテントがあるとはいえ、彼も不死身ではないのだ。

「きっと大丈夫だよ。今頃のんきに昼寝でもしてるって」

　ラクトは楽観的なことを言うが、それでもレティの不安は晴れなかった。

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［シナリオ構築率30％］

［進行に対する不安定化因子の分離に成功］

［現在のシナリオクリア進捗は良好］

［ユーザー：レッジの分離を継続する］

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Tips

◇危険度

　各フィールドごとに計測される、調査開拓任務に関わる難易度。未確認の原生生物がいたり、環境負荷が高まっていたりすると高くなる。

　危険度が高いフィールドに機体回収を依頼する場合、必要金額が大きくなる。

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