第267話「現実逃避」
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◇ななしの調査隊員
起点フェーズも第二段階以降まあまあキツいな
◇ななしの調査隊員
どんどんレアなアイテム要求されて辛いですよ
◇ななしの調査隊員
クラスⅧHQSoCとかそんなに持ってねえって!
◇ななしの調査隊員
それを抜きにしてもなんか、進捗全然進まないんだが
◇ななしの調査隊員
あれだろ、霧森のボス討伐
◇ななしの調査隊員
もうボス見つかったの?
早くね?
◇ななしの調査隊員
騎士団が見付けてたよ。んでトップ層を戦闘生産問わずごっそり持ってった。
◇ななしの調査隊員
そっちの方が面白そうじゃん
◇ななしの調査隊員
霧森の奥にテント村できてるよ
そこで今作戦会議してるらしい
◇ななしの調査隊員
なんでイベント中にイベントより楽しそうなことやってるんですかね・・・
◇ななしの調査隊員
プロメとかダマスカスとかがそっちに結構リソース割いてるから生産力落ちてるらしい
◇ななしの調査隊員
イベント中なんやぞ!
◇ななしの調査隊員
イベントはまだ二週間くらいあるだろ
◇ななしの調査隊員
ボスは恒常だろうがよ
◇ななしの調査隊員
まあでもあそこまで来たらもうアストラもボス倒すまで動かんでしょ
◇ななしの調査隊員
ていうかイベントの切っ掛け作ったおっさんがあっち行ってるから
◇ななしの調査隊員
ええ・・・
◇ななしの調査隊員
優先順位ィ
◇ななしの調査隊員
俺ちょっと様子見てくるわ
◇ななしの調査隊員
俺も俺も
◇ななしの調査隊員
あっちの方が楽しそうだなぁ
◇ななしの調査隊員
攻略組とかは起点すっとばして種落とせる場所探してるみたいだな。その一環でボス倒そうとしてるらしい。
◇ななしの調査隊員
クサナギ泣きそう
◇ななしの調査隊員
アマテラス怒ってそう
◇ななしの調査隊員
んー、しかしシード落としてしまえば起点フェーズでレア素材消費しなくて済むのでは?
◇ななしの調査隊員
アストラ頑張れ
まじで頑張れ
◇ななしの調査隊員
やっちまえ
◇ななしの調査隊員
霧森のボスの情報ってこれか
[URL]
◇ななしの調査隊員
早いな、てか秘匿はされてないんだな
◇ななしの調査隊員
なにこの怪獣
◇ななしの調査隊員
八つ首どころの話じゃねぇ
◇ななしの調査隊員
え、これほんとに倒そうとしてるの?
ていうかこいつの足下に転がってるのって熊の骨? え、このサイズ感おかしくない?
◇ななしの調査隊員
騎士団も一回挑んで負けたらしいからね
そらもうつよつよよ
◇ななしの調査隊員
こいつ倒すために起点フェーズよりもレアなアイテム溶かしてそう
◇ななしの調査隊員
しかし凄い面子だな
BBCがあんなに揃ってんの見たことねぇよ
◇ななしの調査隊員
賢者もいるなぁ
まな板ちゃんかわよ
◇ななしの調査隊員
すりおろされるぞ
◇ななしの調査隊員
叩き潰されるぞ
◇ななしの調査隊員
八刃会が突っ込んで負けて返ってきた
◇ななしの調査隊員
なにやってんだあの集団
◇ななしの調査隊員
騎士団が負けた奴に勝てるわけ無いだろ・・・
◇ななしの調査隊員
おっさんのブログ、更新されてないなぁ
◇ななしの調査隊員
忙しいんでない?
◇ななしの調査隊員
ヴァーリテイン討伐でおっさんの出る幕ある?
あの人ガチ戦闘職じゃないでしょ
◇ななしの調査隊員
お前は今までおっさんの何を見てきたんだ
◇ななしの調査隊員
噂だとアストラが直々におっさんに声掛けたらしいぞ
◇ななしの調査隊員
おっさんの人脈も割と謎いよなぁ
◇ななしの調査隊員
ていうかDAF出せば一方的に勝てるんじゃねぇの?
◇ななしの調査隊員
ドローンは全部あの首に打ち落とされたって聞いたし、どうだろうな
◇ななしの調査隊員
流石に無理だろうな
騎士団に勝ったのが強すぎる
◇ななしの調査隊員
これもうイベント放って見に行く価値ありだな
こんだけトップ層が揃って戦うのまずないだろ
◇ななしの調査隊員
映画にできそうな豪華さだよな
◇ななしの調査隊員
ドローンで中継してる奴もいるみたいだ
◇ななしの調査隊員
祭りみたいだなぁ
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FPO日誌
このブログはVRMMO、FrontierPlanetをプレイしている一般のおじさんが惑星イザナミでの出来事をぼんやりと記していく日誌です。
あまり有益な情報などはありません。
攻略情報は公式wikiかBBSのほうがいいでしょう。
上級者向けのものは「大鷲の騎士団(別窓)」や「ねこのあしあと(別窓)」へ。
あくまでも、平凡な日常を淡々と記したものであることにご留意ください。
#129「イベントの最中ですが」
平穏――とは少し言いがたい賑やかな日々、皆様どのようにお過ごしでしょうか。
現在、絶賛開催中の第3回イベント〈特殊開拓指令;黒銀の土蜘蛛〉は最終段階である“起点設営”フェーズのまっただ中ですね。
私も“降下”フェーズと“起点設営”フェーズのごく最初期を少し手伝わせて頂きました。
そのあと、私たちは森の奥の探索へ出掛け、まだ見ぬ原生生物と相対していました。
そんな折、〈大鷲の騎士団〉のアストラさんから連絡があり、霧森のボスである“饑渇のヴァーリテイン”討伐作戦に参加させてもらうことになりました。
イベント中に随分なことをやるわけですが、それにも理由があります。騎士団、アストラさんの中には霧森のボスを討伐し、開拓を進めることで崖下にシードを落とし、“起点設営”フェーズを飛ばしてスサノオを設置してしまおうという思いがあるようです。
恐らく、一度負けてしまったということもおおいに理由として挙げられるでしょうが。アストラさんも攻略組らしく負けず嫌いなので。
そんなわけで現在、私たちは騎士団が森を切り開いて作り上げたテント村の中にいます。
ここにはBBCや〈七人の賢者〉など一度は見聞きしたことがあるような指折りの実力派バンドや著名人が集まっており、私などは常におどおどとしています。
今は騎士団の力強いバックアップの下で準備を進めているところで、私はヴァーリテインに立ち向かうためのテントの構想を練っているところです。
このブログ記事を書いているのも、少し行き詰まってしまったため気分転換がてらというわけでして。
ダマスカス組合やプロメテウス工業など生産職の皆さんもフルスロットルで動いており、急速に装備が整っています。
私も早く設計を書き上げねば。
それではまた、いつか。
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◇ななしの調査隊員
アマツマラが金属特需で賑わっておる
◇ななしの調査隊員
やっぱ騎士団とこに吸われてるのかね
◇ななしの調査隊員
あそこの財源どうなってんだマジで
◇ななしの調査隊員
おっさんのブログ更新されてるよ
◇ななしの調査隊員
さっき更新されないなって言ったばかりなのに
◇ななしの調査隊員
おっさんここ見てるのか?
◇ななしの調査隊員
だからURL張れってば
◇ななしの調査隊員
やっぱおっさんも騎士団とこにいるんだなぁ
◇ななしの調査隊員
なにがおどおどしてるだよ・・・
◇ななしの調査隊員
ヴァーリテインに立ち向かうテントってなんだ・・・
◇ななしの調査隊員
今回は情報が少ないなぁ
◇ななしの調査隊員
作業しながらみたいだったし生存報告みたいなもんでしょ
◇ななしの調査隊員
ブログ更新してるのバレたら怒られそう
◇ななしの調査隊員
ヴォーパルちゃんがいつにも増してヴォーパルに原生生物吹き飛ばしてるなって思ったら、今おじさんと会えてないのか
◇ななしの調査隊員
かわいいなぁ
◇ななしの調査隊員
かわいいか?
◇ななしの調査隊員
憂さ晴らしに殴り飛ばされるエネミーくんかわいそう
◇ななしの調査隊員
拠点警備としては仕事が減って楽なんだが
◇ななしの調査隊員
三術系のプレイヤーもなんか仕込んでるみたいだな
有名人が頭突き合って話してる
◇ななしの調査隊員
まじか
俺ろーしょんの全力見てみてぇよ
◇ななしの調査隊員
ラピスラズリの禁忌領域も今回見れるかな
◇ななしの調査隊員
まじで祭りになってきたな
◇ななしの調査隊員
俺、ワクワクしてきたぞ!
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何度目かの文章全消去を終えて、俺は椅子から立ち上がる。
ゲームの中では健康も良いところだが長年の癖で腰を叩いてしまう。
騎士団のテントは採光のために窓が付いているため、監禁されていても外の様子は自由に眺められる。
それが余計に孤独感を演出しているという説もあるが。
「おうおう、みんな楽しそうにしてるな……」
テント村では機体型も職も問わず多くのプレイヤーが忙しそうに働いている。
真新しい武器を振って使い勝手を試している者、新しいアーツの開発に余念がない者、怒濤の勢いで押し寄せる製作依頼に忙殺されている者――。
「うおっ!?」
ぼんやりと外の様子を眺めていると、突然森の方から爆炎が立ち上がる。
驚いて視線を向けると、焦げ付いた爆心地に見覚えのある影がいくつか……。
「レティ、何してるんだ」
『おわ、レッジさん!? な、なんのことでしょうか』
「騎士団テント見てみろ。もうちょい上。はい、こんにちは」
TEL越しに彼女たちの視線を誘導し、手を振る。
見られていたことに気がついた彼女たちは恥ずかしそうに手を振り返してきた。
『レッジこそ何してるの? 全然帰ってこないから暇を持て余してたんだけど』
通話にラクトも参加して、そんな苦言を呈される。
「言ったろ。新型テントの構想を練ってるんだよ」
『700人一気に回復できて、ヴァーリテインの攻撃に耐えられるテントよね。そんなのほんとに作れるの?』
エイミーの至極尤もな問いに、俺も返答に窮する。
簡単に作れるならば、俺もこうして悩んでいないのだ。
『レッジさんもこっちであそ、原生生物駆除しませんか? 身体を動かした方が思考も巡るといいますし』
「残念ながら監禁中だ。案が出るまで出られない」
『それは……いいんですか?』
「自分で言い出したことだからなぁ」
『ええ……」
トーカが低い声を出す。
別にそういう癖があるわけじゃない。
慌てて彼女の誤解を否定して、訳を話す。
「自由にできると何時までもサボる自信があるからな。ある程度追い込んだ方がいいもんができるんだよ」
『つまりそういう性癖ってことなのでは?』
「違うからな!」
レティの指摘にはっきりと否定する。
人の趣味は幅広いが、俺は平々凡々が服を着たような模範的一般人なのだ。
「それで、レティたちは何をしてたんだ。凄い爆発だったが」
『コンボの研究といいますか、全員の攻撃を上手く組み合わせて何か相乗効果を引き出せないか研究してたんです』
『決して憂さ晴らしにエネミー吹き飛ばしてた訳じゃないよ』
『そうそう。たまたま偶然、攻撃の射程範囲内にあっちが入ってただけだから』
「そ、そうか……」
『レッジさんがいないと狩りに出掛けてもあまり満足感がないんですよね』
研究熱心なのはいいことだ。
彼女たちもヴァーリテイン戦に向けて準備を進めているのだ。
うむ。
「……まあ、ほどほどにな」
『はい! レッジさんも頑張って下さいね』
元気な答えを聞いて通話を切る。
気心の知れた仲間と少し会話できたことで、思考もクリアになっている。
「さて、もう少し考えるか」
そうしてキーボードに手を置いた次の瞬間、窓の外から一際大きな爆発音が響いた。
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Tips
◇クラスⅧHQSoC
様々な高性能機械の製作に必要な集積回路。作製には素材だけでなく、高機能な設備と高い技術も必要とする。また非常に繊細かつ脆弱であるため取扱にも細心の注意を払わなければならない。
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