日本史でたどるニッポン 著者 本郷和人

昼前に起き、午後はごろごろ、夜は友人とゲームで寝るのは朝四時、とバイトや大学もない日々を自堕落に過ごし曜日感覚をどこかに忘れた僕はふと机に置かれた本とパソコンの存在に気づきふと思い出す。

「あれ、そういや今週の読書紀行書いてないな。ていうかカクヨム自体今週開いてなかったな。きっとPV数も先週より増えてるだろうし、もしかしたらフォロワーとかできてたりして」

なんて淡い期待を抱きながらパソコンを開いたのが二時間前。

氷点下まで下がりきり、砕け散った期待を胸にしまいキーンとなった頭のままパソコンに向かい書き始めたのが一時間前。

ここまで250文字あまりを書くのに一時間必要な僕が尊敬してる小説家がいる。

誰かというと速筆家で有名な西尾維新さんである。

御方は一日に実に三万字もの量を書いておるそうだが、もし僕が一日そんだけ書こうと思うと1日が120時間ないといけないみたいだ。

120時間とは5日分で1日が5日分ないと内容はもちろん文字数でさえも追いつけないとは、さすが西尾維新大先生である。

しかし、5日とは月曜から金曜までのいわば平日が5日であるが、平日と休日の区別もつかない今の生活では、そんなこと考えるだけ無駄かもしれない。

さて前置きはここまでにして、そろそろ今回の本について書き始めようと思う。


今回の「日本史でたどるニッポン」はその名の通り日本の歴史について様々な観点からニッポンを見直し、そこから見出せる普遍的法則を導き(本書でいう帰納)、他の日本史の事実にその法則を当てはめ原因となるもの探す(本書でいう演繹)ことを繰り返し行っている。

そして、本書の第五章「日本史を学ぶ意義」において、物事の因果関係を正確に把握する方法には帰納と演繹の両方をもちいることが必要で、それには歴史が最高の思考実験場となるということが述べられています。

先ほど述べたように実際、本書では第一章から第四章で、「日本の国の在り方」「外圧」「世襲」「宗教」という四つの視点を導くところから帰納を用い、そこで導いた法則を利用し演繹を用いて時代を超えた出来事の理由を推測してました。

その中でも私が特に納得する帰納と演繹の具体例があったのでここで上げておきたいと思います。

天皇と上皇では上皇の方が偉いという事実が日本の歴史で多く見られ「地位より人」という法則が成り立つ(帰納)。

そして、武家政権において豊臣秀吉が関白の地位を豊臣秀次に譲ったが天下人としては秀吉が君臨し、さらには秀次を殺害してしまいます。

このことの原因として「地位より人」という法則を当てはめて説明できる(演繹)。

このように分かりやすい具体例は多くあったため第五章で述べられていたことは一層の説得力を持って受け入れられた。

また、偶然にも私は昨年の夏頃、自分が日本史を学ぶ意義について真剣に考える機会があったが、その時私が辿り着いた答えが現代の鏡に歴史はなれるということであった。

そのことが本書でほとんど同様のことが述べられていたことは自分の考えを肯定されたようで嬉しかった。

他にも、「世襲」と「才能」の興味深い話や人を惹きつける話をする方法なども述べられておりとても面白い本であった。

ぜひ歴史好きや文系理系問わず歴史そのものを学ぶ意味を知りたい人に読んで欲しい。

もしこの感想を読んで少しでも本書に興味を持ったら手に取ることを強くお勧めする。


今日の本

出版社:ちくまプリマー

著作:日本史でたどるニッポン

著者:本郷和人


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